楽天モバイルが4月22日、iPhone 12シリーズを正規に取り扱うことを発表しました。

 この発表会では、iOS 14.4以降を搭載するiPhone 6s以降の端末において、楽天モバイルの自社回線に正式対応することも明らかにされました。簡単にいえば、APN(データ通信の接続先や音声通話を手動設定する必要がなくなるということです。

 4月27日、iOS 14に対応するiPhone/iPod touchを対象とするiOS 14.5へのアップデートと同時に、iOS 14.4以降において楽天モバイル回線に正式対応するための「キャリア設定」のアップデートの配信も始まりました。

 そのことは、“あるもの”との別れを意味します。

●そもそも「キャリア設定」とは?

 iPhoneのキャリア設定は、iPhoneを正規販売するキャリア(通信事業者)においてiPhoneを使う上で必要なデータです。APNの設定やキャリア独自のネットワークサービスの設定などをまとめて行ってくれます。

 キャリア設定の更新は、インターネット経由で配信されます。更新の有無は定期的に自動チェックされ、更新が見つかるとiPhoneの画面上に「キャリア設定アップデート」というダイアログボックスが出てきます。すぐに更新したい場合は「アップデート」を、後で更新したい場合は「今はしない」をタップすればOKです(※)。iOSの更新とは異なり、一瞬で終わるので、よほどの事情がない限りすぐに更新しましょう。

(※)緊急性の高いアップデートは強制更新となります。この場合、ダイアログボックス内のボタンは「OK」のみとなります

 ダイアログボックスを閉じてしまった場合、あるいは更新される気配がない場合は、以下の手順を行ってください。更新があると、ダイアログボックスが表示されます。

1. 「設定」を開く

2. 「一般」を開く

3. 「情報」を開く

 ただし、正規販売していないキャリアでiPhoneを使えないわけではありません。正規販売していないキャリアのSIMカードを挿入(eSIMカードを書き込み)すると、汎用(はんよう)の「Carrier」というキャリア設定が適用されます。

 この汎用設定ではAPNの設定を手動で行う必要がある他、一部のキャリア固有機能が使えない場合があります。また、iPhone 12シリーズの場合、汎用設定では5Gネットワークに接続できません。

●楽天モバイル固有のキャリア設定を適用すると……?

 手持ちの「iPhone 12 mini」には、NTTドコモの「5Gギガライト」のSIMカードと、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」のeSIMが刺さっています。データ通信は後者、音声通話は前者を利用する設定となっています。

 先述の方法でキャリア設定の更新を確認すると、楽天モバイルのeSIMに対するキャリア設定の更新が見つかりました。早速更新すると、キャリア設定が「Carrier 45.0」から「Rakuten 45.1」に切り替わりました。

 その後iOSを14.5にアップデートすると、キャリア設定にさらなる更新がかかり、「Rakuten 46.1」になります(ドコモのキャリア設定も「ドコモ 46.1」に更新されます)。

 キャリア設定が更新されると、5G通信を有効化できるようになる他、項目こそ少ないものの「通信事業者サービス」の設定も行えるようになります。5G通信は、iPhone 12シリーズの特徴でもある「5Gオート」にも対応しています。

 iOS 14.5にすれば、デュアルSIMの状態でも5G通信が利用できるので、ドコモか楽天モバイルの5G通信をスタンバイできるようになりました。

 一方で、国内の他キャリアのキャリア設定と同様にAPNの手動設定はできなくなります。海外ではAPNを手動設定できるようにしている(=APN設定を隠していない)iPhone正規取り扱いキャリアもあるのですが、楽天モバイルはAPN設定を隠す選択をしたようです。MVNOにおける「構成プロファイル」インストールの手間を省くためにも、個人的にはAPN設定はふさがないでおいてほしいのですが……。

●そして「LTE」との別れ……

 公式な楽天モバイルのキャリア設定を適用すると、もう1つ、無くなるものがあります。それは「LTE」というピクト(通信状況表示)です。

 国内の大手キャリアでは、LTEエリアにおけるピクトを「4G」としています。かつて、ドコモは「LTE」と表示していたのですが、iOS 10へのバージョンアップを機に「4G」に改めました。

 海外では固有のキャリア設定でも「LTE」表示となるキャリアもあるのですが、国内では汎用のCarrier設定を用いないとこの表示を見ることはできません。まさか、2021年になって「LTEロス」を再び味わうことになるとは思いませんでした……。

 もっとも、国内で「LTE」ピクトを見る方法がなくなったわけではありません。IIJmioのeSIMなど、iPhoneの正規取り扱いをしているキャリア以外が発行したSIMカードやeSIMを用意すればいいのです。その選択肢が少ないことは問題なのですが……。