OPPOのフラグシップシリーズ「Find X」シリーズの最新モデルが「Find X3 Pro」である。これがまた実に面白いのだ。

 ちなみに正面からの写真じゃないのは、ボディーがあまりに光を反射するキラキラテカテカっぷりだから。正面からちゃんと撮るにはそれなりの機材や設備が必要なので早々に諦めて斜めから、青空を反射させてみた。

 で、このデザイン、多くのスマホがカメラ部分を無粋に……わざとカメラユニットと本体が分離してるかのように出っ張らせているのに対し、曲面でシームレスに出っ張らせているのはちょっと新しい。

●デュアルフラグシップカメラは最高である

 ではまず、正面からの写真をどうぞ。

 この純正ケースはなかなかよい。カメラ回りが滑らかに飛び出てるとこもうまく表現してる。

 一見、普通の「超広角・広角・望遠・マクロ」の四眼カメラかと思いきや、さすがフラグシップというユニークな構成となっている。その内訳はこんな感じ。注目は、超広角と広角カメラの径が同じなこと。さらに3つ目の大きなカメラは「顕微鏡」カメラであること。そして4つ目の小さなカメラが2倍の望遠カメラだ。

 一般的な複眼のスマホはメインカメラとなる広角カメラにサイズが大きくて高画素な「一番いい」イメージセンサーを用いて画質を上げ、使用頻度が低い他の2つと差別化している。

 でも、Find X3 Proは「デュアルフラグシップカメラ」と称して超広角カメラと広角カメラの両方に「1/1.56」型の5000万画素センサー(ソニーのIMX766)を搭載したのである。超広角と広角で同じ画質が担保されたのだ。

 一般的に超広角カメラは広角カメラよりセンサーサイズが小さくレンズ性能も抑えられているために、夜景や室内など条件がよくない環境では画質に差が出たり、同じ場所で撮ってもちょっと発色がずれたりしがちだけど、Find X3 Proはそれがないのである。これは素晴らしい。しかも、基本画質もめちゃ高い。

 5000万画素のセンサーから1200万画素の絵を作っているのだけど、レンズ性能もいいのか、ディテールまですごくきっちり写っているのだ。色もすごくきれいに出ているし。

 さらに超広角。

 望遠はカメラアプリには2xと5xのボタンが用意されているけれども、望遠カメラ自身は2x。5xの方はデジタルズームとなる(でも撮ってみるとけっこう遜色なく使えそうだ)。

 超広角と広角のクオリティーが変わらないっていいよね。室内で超広角で撮りたいときも画質は落ちないし。

 遠近を強調した写真を撮りたいときも。明暗差が激しい構図なのに(何しろ鉄橋の下だ)、橋の下もちゃんと描写されているし青空も飛んでいない。HDRが働いている。

 背景を広く遠近を強く撮りたいときにもいい。JR南武線、稲城長沼駅前の広場にそびえる「装甲騎兵ボトムズ」の「スコープドッグ」立像を。

 せっかくのスコープドッグなので(JR南武線の稲城長沼駅前に建っているのだ)、望遠で撮ったものも1枚どうぞ。

 さてこの超広角カメラ、カメラを切り替えるとこんな風に「超広角/マクロモード」と表示される。

 これはどういうことかというと、マクロカメラとしても使うのである。超広角カメラの方が近くまで寄って撮れるから。普通に1xのカメラを被写体に向けて、じわじわと近づいていくと、ある程度の距離でAIシーン認識で「マクロレンズ」に切り替わるのだ。

 こんな感じ。

 超広角カメラをマクロカメラとして使うスマホは他にもあるけど、その場合、広角カメラより画質が落ちるのが気になる。Find X3 Proはデュアルフラグシップカメラなのでクオリティーは高いままなのだ。素晴らしい。

 さらにさらに、マクロモードよりさらにデカくとれるのが顕微鏡カメラである。

●意表を突いた顕微鏡モード

 大げさではなくて、ほんとに実体顕微鏡的に使えそうなのだ。30xと60xがあり、ピントがぴしっとくる撮影距離はほんとレンズ前2〜3mm(ケースを付けている場合はそれよりちょっと短め)くらい。まず「その他」メニューから「顕微鏡」を選ぶ。

 顕微鏡モードにすると、顕微鏡カメラのレンズの周りが白く光る。

 これはギミックじゃなくて、被写体を照らすライトだ。

 レンズギリギリの距離で撮るから、どうしても端末の影になる。でもこのライトで照らすから撮れるのだ。まあ葉っぱを陽射しにかざして逆光で透けたのを撮る、とかならいらないけど、そうじゃない場合はこれが役立つ。最初は右上の「i」ボタンを押すといい。すると撮り方のコツを教えてくれる。

 角度というよりはピントがピシッとくる距離をこれで探す感じ。で、30xで撮ったのがこちら。1944×1944ピクセルで記録される。

 これは何かというと、これです。桃。左右の端がボケているのは、桃は丸いからですな。

 いやあ、「これは何でしょう?」クイズとか簡単に作れそう。さらにみんな最初に撮りそうなのも撮ってみた。

 スマホの画面。「iPhone 12 Pro MAX」のOLEDだ。

 さらに「特殊効果」を使うと万華鏡的な遊び方もできる。

 きれいに撮るにはコツはいるし、誰もが日常的に使うカメラになるかは微妙だが、標準搭載の機能としては非常にトンがっており、かなり面白いのだ。標準搭載なので普段「ちょっとこれを超アップで見たい」と思ったらすぐ撮れる。石の断面でも葉っぱでも肌でも肉球でも。

 次はFind X3 Proならではの注目の機能だ。

●10bitカラーで10億色はどのくらいクオリティーが上がる?

 Find X3 Proのカメラには「デュアルフラグシップカメラ」「顕微鏡カメラ」に続いて、もう1つ注目すべき新機能がある。

 それは「10bitカラー」。今、われわれが普通に使っているカメラ、あるいは日常的に見ているJPEGの写真は1画素あたり1600万色のデータを持っている。1画素あたりのデータ量はRGBそれぞれが8bitで、合計して24bit。それを10進数に直すと約1670万となる。

 それに対して、RGBそれぞれ10bitに拡張し(RGB合わせて30bit)、約10億色を表現できるようにしたのが「10bitカラー」だ。ディープカラーとも呼ばれる。設定メニューから「10ビットカラー」をオンにすると、写真モードとナイトモード時に10bitカラーで画像を撮影・処理し、記録される。

 1画素あたりの表現力が上がることで、細かく微妙なグラデーションもより滑らかに表現できる。ただ、JPEGは8bitでの記録を前提としているため、10bitでの保存はできず、ファイルは10bitに対応したHEIF形式(拡張子は.heic)となる。

 HEIF形式についてはiOSが先行して採用しており、Androidでも採用する端末が増えているが、それらは各色8bitであり、10bitはFind X3 Proが初めてかも。

 気になるのは互換性。10bitカラーのHEIF形式に対応した端末で見るときはいいが、全部が対応しているわけではない。

 macOSはiOSが対応しているのでHEIFファイルのまま問題なく見られるが、Windows 10では別途アプリを用意しなければならない。Microsoftが提供するHEIF/HEVC機能拡張を使えばHEIF形式に対応するのだが、2021年7月現在、iPhoneで撮った8bitのHEIFファイルは表示できたが、Find X3 Proで撮った10bitのHEIFファイルは開けなかった。

 HEIF形式に対応しているアプリでも、10bitには未対応のものもある。ちょっと悩ましいのである。誰かに渡すときはJPEGに変換した方がいいだろう。

 で、いろいろと撮り比べてみたが、ぱっと見て違いが分かるかといわれると、シーンによるかなあ。

 その辺は買って確かめてみてください、ということでちょっと無責任で申し訳ない。見た目では分からなくても、(ちゃんと10bitカラーに対応したアプリであれば)編集時のレタッチ耐性は強いと思う。

 実際に撮影した、ごく普通の作例も紹介する。

●気持ちよい写真を撮れるすばらしいカメラ機能なのだった

 最後に普通の作例をさくっと。まあ簡単に言って、カメラの画質はよいです。予想以上にいろんなシーンでほどよく爽やかで鮮やかな写真を撮れるのだ。

 例によって人物から。陽射しが強かったのでまぶしくないよう太陽を斜め後ろに背負ってもらっているのだけど、HDRがかなりしっかり働いて顔が明るく撮れているのが分かる。

 こちらは2xの望遠で。彼女は日陰にいるのだけど、ここでもHDRが仕事をしてくれた。

 次は5xの望遠で。

 続いて近距離もので、うちの猫。広角カメラと超広角カメラで。

 夜は夜景モードで。超広角カメラでこれだけ撮れるのはすばらしい。

 動画は4Kまで行けるが、手ブレ補正やAI機能を使うならフルHDが一番だろう。その他、インカメラとアウトカメラで同時に撮る「アウトイン同時動画撮影」も持っている。

 Find X3 Proは3つもの大きな特徴があったのでそれの話ばかりになってしまったが、もちろんセルフィーもできるしポートレートモードで背景ぼかしもできる。その辺はまあ長くなりすぎたし、特筆すべきことはないので割愛。

 つまるところ、超広角カメラが広角カメラと同じセンサーを搭載した「デュアルフラグシップカメラ」と、ユニークな顕微鏡カメラの2つは実に素晴らしいのだ。望遠カメラもいいし、HDRもけっこう強めにかかるのでカメラ任せで鮮やかで印象的な写真を撮れる。

 もう画質的にも機能的にもスマホカメラのトップクラスといっていいわけで、カメラでスマホを選びたい人、カメラで遊びたい人にお勧めしたい。

(モデル:長谷川実紗)