Xiaomiのスマートフォン事業が好調だ。各調査会社の報告によると、2021年第2四半期の世界のスマートフォン出荷シェアでXiaomiが初の2位に躍り出た。また中国でも3位に浮上している。日本でも次々と新製品を出すXiaomiは瞬間的な世界1位も見えてきた。Xiaomiの強さを調査会社のレポートから見ていこう。

●SIMフリー市場だけでなくキャリアに提供することでシェアを伸ばす

 IDCやCanalysなど大手調査会社が2021年7月に発表した世界のスマートフォン出荷量シェアは、市場に大きな衝撃を与えた。Xiaomiが史上初のシェア2位となったからだ。メディアの中には「Appleが2位から転落」という見出しを付けるところもあったが、例年Appleが強いのは秋の新製品投入直後の第4四半期であり、翌第2四半期にシェアを落とすのは市場では想定済だ。しかし3位に落ちたとはいえ、Appleは前年同期より出荷量を増やしており、iPhoneの販売は決して不調ではない。

 第2四半期の注目は、Huaweiが不在となったグローバル市場で他のメーカーがどこまで数を伸ばせるかだった。中でもXiaomiは既に2021年第1四半期でAppleとの差を詰めており、第2四半期の結果に注目が集まっていたのだ。Xiaomiの2021年第2四半期は出荷量が前年同期比で80%を超える成長を見せ、マーケットシェアは3位Appleの14%を抜いて17%となった。またOPPO、vivoも30%弱の成長でそれぞれシェアを10%に乗せた。

 一方、シェア1位のSamsungは出荷量が前年同期比15%にとどまり、シェア1位は守ったものの19%と、Xiaomiとの差はわずかになっている。第2四半期はミドルレンジを中心とした「Galaxy Aシリーズ」を次々と出したものの、中国メーカーに対抗することはできなかったようだ。

 筆者は4月に「Xiaomiの世界2位が見えてきた」との記事を書いた。これは通年2位の意味だったが、第2四半期だけとはいえ堂々の2位の座に上り詰めたXiaomiの勢いはこれからも止まりそうにない。

 日本でも徐々にXiaomiの存在感が高まっている。コストパフォーマンスの高い製品をSIMフリー市場のみならず通信事業者にも提供することで、ユーザーを着々と増やしている。この戦略は他の国でも同様だ。Xiaomiはハイエンドモデルも多数出しているが、ブランド認知度や信頼性ではまだAppleやSamsungには及ばない。「安くても高品質で使いやすい」製品を地道に投入し続けることで、消費者の信頼を少しずつ勝ち取ろうとしているわけだ。

 Xiaomiが徐々にシェアを伸ばしている様は四半期ごとの出荷量のグラフを見ると分かる。IDCの調査を見ると、1年前からXiaomiのスマートフォン出荷量は右肩上がりとなっている。2020年第4四半期は落ち込んでいるが、これはAppleの新製品の影響だ。蛇足ながらこのグラフからはAppleの出荷量がいびつな形状であることも分かるだろう。Appleはおそらく第3四半期のシェアをさらに落とすだろうが、第4四半期には「iPhone 13(仮称)」の登場で1位に返り咲くはずだ。通年でAppleが2位を守れるか、あるいはXiaomiに抜かれるかはiPhone 13のパフォーマンスが大きく影響するだろう。

●中国市場を攻略する上でカギを握る“最新技術”

 一方、Xiaomiにとって母国である中国市場の攻略も重要なテーマになっている。日本からXiaomiの勢いを見ていると中国市場ではシェア1位と思われがちだが、ここ数年はHuawei、OPPO、vivoに次いで4位、また毎年第4四半期にはAppleに抜かれて5位だった。

 しかし2021年第2四半期はvivo、OPPOに次ぐ3位に浮上。これはHuaweiが上位から滑り落ちた影響もあるが、Xiaomiの中国市場での前年同期比の出荷量は47%増であり、vivoの23.6%、OPPOの17.3%を大きく上回っている。シェアの数字そのものよりも、出荷量を大幅に伸ばしたということは中国市場でもXiaomi人気が高まっていることを裏付けているだろう。

 中国市場でXiaomiは、2021年上半期に次々と新製品を投入していった。特に3月には折りたたみディスプレイ搭載の「Mi MIX Fold」、高画質カメラ搭載の「Mi 11 Ultra」を発表。Mi MIX FoldはXiaomiらしく「折りたたみで最安値」を実現するとともに、折りたたみスマートフォンという最新技術をXiaomiが製品化できる実力をアピールした。またMi 11 Ultraはグローバルでも発売され、スマートフォンカメラのベンチマークであるDXOmarkで長らく1位の座についていた。カメラ性能でもXiaomiは世界一の製品を作るだけに技術力を持っていることを証明したのだ。

 2021年上半期にXiaomiが投入した、際立った特徴を持つモデルは他にもある。低価格モデルのRedmiシリーズにもハイスペックなプロセッサを搭載したモデルを投入し、ハイエンド市場にもコスパの高さで殴り込みをかけた。またXiaomiはゲーミングスマートフォンに特化した傘下メーカー「BlackShark」を擁するが、自らもゲーミングモデルを投入。製品バリエーションをさらに広げている。

・Redmi K40 Pro:Snapdragon 888搭載の超コスパモデル

・Mi10S:Harman Kardonスピーカー搭載

・Redmi K40 Gaming Edition:ブルースリーモデルもあるゲーミングモデル

・Redmi Note 10 5G:1099元の格安5Gスマホ

 Xiaomiのスマートフォンはほぼ全世界で流通しており、価格の安さが大きな人気になっている。一方でブランド力や信頼性は同社の弱点だった。中国市場ではMi MIX Foldを出したことで注目度が一気に高まったが、グローバルではまだ同モデルの発売はない。

 下半期はAppleがiPhone 13(仮称)を出すことから、ハイエンドモデルにより注目が集まるだけに、折りたたみスマートフォンのグローバル展開や、Samsungに対抗すべく縦折式のモデル、さらにMi 11 Ultraのカメラをさらに強化した製品などをXiaomiは投入するだろう。

 着々と見えてきたグローバル市場、そして中国市場でのトップ1の座をXiaomiがどう狙っていくのか楽しみである。