2021年夏のハイエンド4モデルカメラ機能対決の後半は人物作例と使い勝手をメインに見ていきたい。

 前編に引き続き、紹介するのはソニー「Xperia 1 III」、サムスン電子「Galaxy S21 Ultra 5G」、OPPO「OPPO Find X3 Pro」、シャープ「AQUOS R6」だ。

●人を撮るのに適した端末対決

 やっぱり人を撮ることって多いよね、それが雨の日だったりしても撮るよね、ってことで雨模様の中、何とか屋根があるところを探して撮ってみた。

 雨や曇天下は光が柔らかいが、全体に暗く写りやすくなる。4機種とももちろん顔を検出して人物に適した撮影をしてくれるわけで、それぞれ広角カメラで同じ場所で撮り比べてみた。カメラアプリの画面とペアで。

 顔を見つけると肌が明るく写るように調整する端末が多いが、AQUOS R6はその処理が弱めなのか、あまりかけていないのかちょっと顔が暗く写っていて残念。

 Xperia 1 IIIは瞳AFを搭載。スクリーンショットでは顔全体しか認識していないが、撮影の瞬間に緑色の小さな枠が目に表示されるので分かる。PSMの各モードにしてAF-ONにするか、側面のシャッターボタンを半押しにすると緑の枠が出て瞳を追いかけてくれる。

 では、背景をぼかすポートレートモードがきれいなのはどの端末だろうか。

●背景ボケがきれいなのは?

 続いて、背景ボケ(あるいはポートレートモード)編。トリプルカメラ以上のモデルだと、ポートレートモード時に、広角カメラか望遠カメラか選べる機種が多いのだけど、今回は広角カメラを使った比較にした。

 多くの端末は独立した「ポートレート」(あるいは「背景ぼけ」)モードを持っているが、Xperia 1 IIIは独立したポートレートモードは持たない。BASICモード時に「ぼけ」をオンにすることで背景ぼかしを使える仕様だ。これはいちいち撮影モードを切り替えなくて済むのでよい。

 ただ、AQUOS R6だけはポートレートモード時に焦点距離が約1.5倍に(つまり、36mm相当くらい)なるので、他の機種に比べてちょっと望遠ぎみだ。

 遠くの方がボケが大きくなっているかとか、彼女の後ろにある柱が背景ときれいに分離しているかとかチェックポイントはいろいろあるのだけど、ボケはきれいなので顔をもうちょっと明るく撮ってほしかったAQUOS R6と、柱と背景の分離がうまくできているFind X3 Proって感じだ。

●自撮り編はさらっと

 自撮り編も行っておこう。美肌機能系はデフォルトにセットしてある。左右反転して(つまり鏡像で)撮るかどうかもデフォルトのままなので、並べると不思議な感じだけどご容赦を。

 それぞれ画素数が全然違うのだが、まあ全体として、AQUOS R6はもうちょっと肌がきれいに出るような処理をした方がいいと思うし(自撮りだし)、Find X3 Proはデフォルトのままだとかなり強めのビューティー機能がかかるので、ナチュラル系が好きな人は控えめの設定にした方がいいかもしれない。

●夜に強いのはどれ?

 そして夜。めちゃ暗い住宅街の片隅の公園で遊具を撮ってみた。まあ、めちゃ暗い場所だ。

 撮影モードは通常の「写真」で。夜景だと判断すると自動的に夜景モードに切り替わる端末がポピュラーになってきており、以前のように夜景モードにすると写りががらっと変わるということもなくなってきたから。

 どれも手持ちのまま白トビや黒ツブレもなく、ほどよく夜の遊具を撮ってくれた。もはや、夜景モードで差をつけるって時代は終わったのだ。強いていえば、Galaxy S21 Ultra 5Gがちょっといい感じ。

 最後に、カメラアプリの特徴と使い勝手をまとめよう。

●カメラアプリの使い勝手がいいのは?

 最後に、カメラアプリの話と各機種の特徴をまとめておきたい。

AQUOS R6

 カメラアプリはAIをオンにしておけば特に困ることはないが、撮影倍率変更のアイコンが「タップすると順繰りに切り替わる」方式で、起動したときは必ず広角なので、超広角で撮るには2回タップしなきゃいけない。また切り替わりも(シングルカメラなのに)ちょっと間が空く。それは残念な点。

 また、全体のレスポンスがよくない。時々遠景を撮ろうとしているのに「もう少し離れて撮影してください」ということがあるなど、AF回りが不安定なことがある(うまくいくときはすっと合うんだけど)など、ちょっとこなれていない感があるのが残念。タッチAFをうまく使うといい。アプリ回りは改善の余地アリかなあと思う。

Xperia 1 III

 今回はできるだけ条件をそろえるってことでBASICモードで撮ったけれども、Xperia 1 IIIの醍醐味(だいごみ)は、やはり「Photography Pro」ならではの撮影モードだ。

 BASIC以外のモードにすると、画面の右側がコンソールになり、細かな撮影設定をさっと行える。これはすごく使いやすい。このモードのときは側面にあるシャッターボタンを押して撮影する必要がある、縦位置撮影用のデザインがないなど気になるところもあるけれども、これは便利。

 特に連写したりAFモードを切り替えたりはよいし、AF-CモードにしてAF-ONをタップするとリアルタイムAFが威力を発揮してくれる。被写体追尾AFも優秀だし、動物瞳AFもできるしで、AF回りはXperia 1 IIIが一番優秀だ。

 写りもデジタル一眼ほどナチュラル系ではないけど、一般のスマホカメラほど派手じゃなく、バランスがよい画作りだし、カメラを知っている人には非常に操作しやすいインタフェースだし、実質クアッドカメラといっていいし、カメラっぽく使いたいならこれがイチオシだ。

Galaxy S21 Ultra 5G

 Galaxyで一番気に入っているのはガイド機能。分かりやすい水準器に、自動的に最適な構図をガイドしてくれるのは、デフォルトでオンになっていてもいいと思う。うざいと思ったらオフにすればいいのだし。

 もう1つは0.6xから100xまでボタンが出て、好きな倍率にさっと設定できること。このへんの操作が簡単なのはいい。

 今回は触れられなかったが、1回の撮影で動画やフィルターをかけた写真を自動的に作ってくれるシングルテイクも面白い。でもまあ、何といっても、今回の4機種の中で一番の広角(13mm相当)で、一番の望遠(240mm相当)で、一番マクロ撮影に強いという、近くから遠くまで、超広角から超望遠までイける幅広さは随一なのだった。画質の安定感もあり、1台で何でも撮りたい、というのならこれが一番というクアッドカメラっぷりだ。

Find X3 Pro

 AIをオンにしたときに認識するシーンの数が多いことや、風景を撮ろうとすると「超広角レンズを試してみましょう」とガイドが出るあたりの親切さが特徴だ。

 さらに特殊すぎて紹介しづらい「顕微鏡」カメラにもここで触れたい。レンズ前2〜3mmという超至近距離専用カメラで、日常的に使うかといわれれば微妙だけど、めちゃ遊べる。

 何しろ、30xと60xである。レンズ周りにLEDライトが仕込まれているので、このように黒いものを撮ってもちゃんと写る。で、これは何を撮ったのかというと、ウレタンマスク。顕微鏡カメラで撮るとこんななのだ。

 全体としては、デュアルフラグシップカメラにして、超広角と広角の両方で同じ画質を得られるのは日常的にありがたい。特に風景をよく撮るとか、室内で超広角で撮るときなどは重宝する。

 AIシーン強化をオンにすると、HDRかかりまくるわ、色は派手にこってりでるわ、東京の空だかカリフォルニアの青い空だか分からないくっきりした青空にしてくれるわで、画作りには好き嫌いが出そうだけど、これはこれでアリだ。

 以上、4機種を基本画質を中心にじっくり見てきた。これだけいえるのは、このクラスになるとどれも高画質であるが、その上で各機種とも個性を載っけてきていて、実に選びがいがあって面白いってことだ。

モデル:長谷川実沙