UQ mobileは夏から9月2日にかけて段階的に料金プランを刷新。割引サービスを充実させ、auからより乗り換えやすいサービスへと変貌を遂げた。同じくKDDIが提供する低価格帯サービスといえば、ドコモの「ahamo」に対抗して3月より開始した「povo」があるが、現在ではKDDIの方針もあり、UQ mobileのサービスが充実しており、お得さが逆転しつつある。

 では、auのエリアやスマホを使いつつ低価格帯プランへの変更を考えているau利用者は、UQ mobileとpovoのどちらへ乗り換えるべきなのだろうか。

 この記事では、低価格で注目のpovoの特徴を紹介した上で、9月2日より新しくなったUQ mobileのプランとpovoのどちらがお得かを比較。さらに、povoの契約方法についても紹介していく。価格は全て税込み。

●「povo」は20GBで月額2728円と24時間使い放題が魅力

 povoはau内の新ブランドのプラン。オンラインでの契約やサポートに絞る代わりに、月額2728円、通信容量20GBという低価格を実現。キャリアメールや留守番電話サービスは利用できないが、電源オフや圏外時のSMSによる着信通知には対応している。全体として、スマートフォンの利用や契約に詳しい人に向いている。

 最大の特徴は、24時間220円で使える「データ使い放題24時間」のオプション。長時間のビデオ会議や動画視聴、月末に通信容量が足りないときに役立つ。他社の20GBプランと比べ、通信容量の多いヘビーユーザーやテレワーク用途に向いたサービスといえる。

 auからpovoへの移行は、povoのサイトで申し込むだけで完了する。auで購入したスマホも近年のものならそのまま利用できる。ただし、契約期間の年数がリセットされるので、将来auの通常のプランに戻しても、「長期優待ポイント」の付与ランクはもとに戻らない。

 2021年夏までに契約すると、「povo 早期申込家族割プラス特典」によりpovoの回線もauの家族割プラスの家族人数のカウント対象となる。また「故障紛失サポート」「故障紛失サポート with AppleCare Services」も、2021年夏までにauで申し込んでおけば、povoに移っても継続して利用できる。秋以降もこれらのキャンペーンを実施するかは近日中に発表予定で、9月7日時点でも実施している。

 9月2日にUQ mobileとau同士の移行にMNP予約番号の取得が不要になったが、他社からpovoへ同じ電話番号で移行する場合や、UQ mobileから直接povoへ移行する場合はMNPの手続きが必要で、MNP予約番号の発行が必要になる。

 では、UQ mobileのプラン内容を確認する。

●UQ mobileは店頭契約やサポートあり、セット割引や家族割引も強化

 UQ mobileは、これまではKDDIの中でもauとは異なるサブブランドとして提供してきたが、9月2日からは家族内でauとUQ mobileそれぞれの契約者が混在していても使いやすいサービスへと変わりつつある。

 povoと同じく、auネットワークのエリアと高速通信を利用でき、データ容量の翌月繰り越しに対応する。また、後述する自宅の光回線または電気料金とセット契約による割引サービス「自宅セット割」によって月額638円〜858円の割引を受けられる。

 光回線とのセット割引の対象となる契約は「auスマートバリュー」と同じ。「auひかり/auひかり ちゅら」に加え、他社プロバイダー、CATV事業者の他ホームルーターもセット割引の対象となる。もし家族内にauとUQ mobileの契約者が混在していても、au利用者はauスマートバリュー、UQ mobile利用者は自宅セット割がそれぞれ適用される。

 さらに、povoと違って店頭でiPhoneやAndroidのスマホを購入しての契約や機種変更ができ、キャリアショップでのサポートにも対応する。有料だが、留守番電話サービスやキャリアメールも利用できる。ただしauと同じキャリアメールのアドレスを引き継ぐことはできない。

●povoとUQ mobileのどちらがお得?

 povoとUQ mobileの料金面での違いだが、同等のプランで比べると、UQ mobileの「くりこしプラン +5G M」は月額2728円で通信容量15GBに加えて、1年間は5GB(合計20GB)を無料で使える。さらに、余った通信容量を翌月に繰り越して利用可能だ。

 さらに、UQ mobileは自宅セット割で家族も含めた基本料金もくりこしプラン +5G Mなら2090円になり、povoより明らかにお得になる。条件もauでauスマートバリューを適用中の人なら、そのまま割引を継続できる。自宅に光回線がない場合も、自宅の電力会社の料金をau/UQでんきに切り替えるだけなので簡単だ。

 電力会社を「auでんき」または「UQでんき」に変えるという条件だが、1人暮らしなら非常にお得だ。というのも、電力自由化で電力会社を変えても、もともとの電気料金が安い人だとあまりお得にならない。

 だが、自宅セット割でau/UQでんきに変えると電気料金にpontaポイントの還元を受けられる上、毎月の電気使用量に関わらず家族全員のUQ mobileの月額料金から毎月638円(くりこしプラン +5G Lは858円)の割引を受けられる。自宅の電気代が安く、光回線も引いていない人にとってはお得な割引サービスといえる。

 サービス面も繰り返しになるが、UQ mobileは対応するiPhoneやAndroidスマホを店頭やオンラインで購入できる他、店頭サポートも受けられる。povoは自己責任でSIMロックフリースマホを用意する必要があり、補償サービスも探して契約する必要がある。スマホの購入で悩みたくないならUQ mobileを選ぶのが無難だ。

 サポートもオンラインのサイトやチャット、メールに加えて、電話サポートやキャリアショップでの店頭サポートも受けられる。UQはキャリアショップが少ないという弱点があったが、現在は多くのauショップや、サービス提案も同時に行うauショップ「au Style」各店でUQ mobileもサポートする店舗が増えており、不便さは大幅に改善されつつある。

 povoとUQ mobileを比較すると、現在はUQ mobileの方が料金面でもサービス面でも充実している。povoは、使い放題24時間などのトッピング(オプション)をうまく活用できる上級者向けサービスという側面が強い。とはいえ、今後povoのプランにも改良が加わることもあるだろう。契約を考える際は最新情報を確認して契約することをオススメする。

 最後に、povoの契約方法について紹介しよう。

●オンライン契約のみ! povoの契約方法を確認する

 povoでは、auが販売した「iPhone 6s」以降や近年のAndroidスマホ(5Gまたは4G対応かつau VoLTEに対応)を利用できる。非対応のスマホを利用中の場合はauのプランを契約中に機種変更するか、別途対応するSIMロックフリーのスマホを購入しよう。

 povoに変更した後でauのスマホへ機種変更しようとしても、「端末単体購入(白ロム機)」の扱いとなる。さらにECサイト「au Online Shop」では機種の予約や故障紛失サポートを利用できない。

 au以外のスマホを使う場合、SIMロックフリーやSIMロックを解除したiPhone 6s以降や、auネットワークに対応したAndroidスマホを利用できる。ただ、Androidの中にはauネットワークに非対応の製品もあるので、povoのサイトに掲載されている動作確認情報を確認しよう。発売直後の製品はすぐに掲載されないが参考になる。

 契約前に、キャリアメールの代わりに、povoへの登録や今後各サービスで利用するメールアドレスを準備しよう。日常的に利用しているショッピングや会員サービスにキャリアメールを登録している人は、先にメールアドレスを変更しておいた方がスムーズだ。重要なメールは別途保存しておいた方がいい。

 また、auを利用していた場合は「データお預かり」や「auじぶん銀行」の他、auの資産運用関連サービスなどいくつかのau契約者特典を受けられなくなる。キャリア決済や「auスマートパス」、支払方法は引き継がれる。

●auから移行する場合

 auで近年のスマートフォンとプランを利用している場合は、povoのサイトから申し込む。au IDの入力以外で迷う部分はほぼないだろう。多くの人は申し込み当日か、夜間申し込みなら翌朝に契約がpovoへと変更される。

 利用に際して、SIMカードの交換や特別な設定は必要ない。各種手続きは「My au」アプリが使えなくなり、そのかわりにpovoのサイトか「トッピング」アプリを使うことになる。

 ただし例外もある。auでiPhone 6s/6s Plus/7/7 Plus/SE(第1世代)を購入して利用している場合、iPhone自体はpovoでも使えるが、SIMの到着後にSIM交換が必要となる。povoでは使えないau VoLTE非対応のAndroidスマホ利用者で、povoに乗り換えてSIMロックフリースマホを使う予定の人も同様だ。また「LTEプラン(V)」「2年契約(自動更新なし)」の契約者は、povoのチャットから契約手続きの方法を問い合わせる必要がある。

 povoに移行した月の利用料金はauとpovo両方のプランが日割りとなり、利用できる通信容量は変更前と後のプランの月間データ容量のうち大きい方が適用される。

 「使い放題MAX 5G/4G」プランの場合、使い放題MAX 5G/4Gで加算される通信容量ではなく、テザリングなどで利用できる通信容量が適用される。使い放題MAX 5G/4Gや通信容量20GB以上のプランからの変更は月の前半がお得だ。それ以外のプランは都合のいいタイミングで問題ない。

 では、新規契約や他社からのMNPを利用した移行の場合はどうか。

●新規契約や他社からMNPで移行する場合

 新規契約や他社/UQ mobileからMNPで移行する場合は、以下のものが必要となる。カメラ付きのスマートフォンで撮影し、povoのサイトから申し込もう。eKYCによる本人確認時にはスマホのカメラで本人確認書類と顔を撮影するので、落ち着いて撮影できる場所を確保することをオススメする。

povoにMNP利用で申し込む際に必要なもの

・povoで利用できるスマートフォン

・連絡用のメールアドレス

・本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、在留カード)

・クレジットカード

・MNP予約番号(MNP利用で契約する場合、有効期限10日以上のもの)

 契約タイミングだが、契約月のpovo利用料金は日割りで計算される。MNPで移行元のプランが解約月の日割りに対応しておらず、なおかつ使い放題MAX 5G/4Gや大容量プランの場合は月末の契約がお得になる。

 申し込みはpovoのサイトから迷わず行える。最初に「au ICカード」か「eSIM」かの選択肢が出てくるが、通常は一般的なnanoSIMが発行されるau ICカードを選ぶのがいい。eSIMは利用できる機種が限られる上に、詳しい人でないと扱うのが難しい。その後は本人確認のeKYCによる撮影を含めて迷う部分はないだろう。

 申し込み後、povoのSIMが発送される。到着したらMNPの場合は予約番号の有効期限の間に案内されたWebサイトで回線を切り替える。受付時間は9時〜21時15分に制限されているので、有効期限には余裕をもって切り替えよう。

 後は、SIMロック解除済みかSIMロックフリーのiPhone、Androidスマートフォンに挿入して利用しよう。iPhoneは特別な設定なしに利用できる。Andoridの場合APNを設定すれば利用可能となる。