インターネットイニシアティブ(IIJ)が5月13日、2021年度通期の決算を発表した。売り上げは2263.4億円で前期比+6.3%、営業利益は235.5億円で前期比+65.3%の増収増益。営業利益は当初175億円を見込んでいたが、そこを大幅に超過する好結果となった。法人向けネットワークサービス(モバイルを除く)の売り上げ増が業績全体をけん引している。

 モバイルサービスについては、2022年3月末に総回線数が350.8万に達し、1年間で25万7000の純増となった。特に好調なのが法人向け回線で、ネットワークカメラや決済端末、ドライブレコーダー、GPSトラッカーなどの需要が高いという。

 MVNEについては、第3四半期までは純減が続いていたが、第4四半期に98.3万回線から103.3万回線に回復。「IIJが卸しているMVNOは、競争環境が激しい中で上期は苦戦してきたが、仕入れ価格が下がって卸価格を改定したことで、卸先のMVNOも新プランを出して、伸びにつながっている」と渡井昭久CFOは分析する。

 コンシューマー向けの「IIJmio」も、2021年4月に提供開始した「ギガプラン」を契機に純増基調に転じており、1年間で約5.6万増の109万回線に達した。ギガプランの契約数は66.7万に上る。

 一方で、MVNEへの価格改定や、IIJmioの値下げによって、モバイル事業の売り上げは14.3%減の407.2億円となった。2022年度もこの傾向が続くため、モバイル事業は5億円強の売り上げ減を見込んでいる。IIJmioでは、2021年度の純増数(+5.6万)を超える回線数の獲得を目指す。

 IIJの決算発表直前に楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表し、月額0円を撤廃することが話題を集めた。ここまで、楽天モバイルは月間1GB以下だと月額0円で運用できることから、MVNOからも転出していることが想像されるが、新プランでIIJmioへの影響はどう考えているのか。勝栄二郎社長は「具体的な中身を見ないと分からない」と前置きしつつ、「そもそも、サービスを0円で提供することは無理があると感じていた。やめたというのは正しい方向だと思っている」とコメント。

 楽天モバイルの影響については「一時、IIJmioは環境が厳しかったが、去年(2021年)4月にギガプランを提供してからは純増に転じて競争力が増している。MVNEも、新しいプランを発表して競争力も回復している。以前、楽天モバイルは脅威だったかもしれないが、競争力が回復している」と述べ、ギガプラン提供後の影響は軽微との認識を示した。

 大手キャリアがiPhoneを大幅値引きして(単体で)販売している件について、勝氏は「われわれも110円で割引をしているが、割引が許される範囲でやっている。iPhoneを1円にして、新たにMNOに乗り換えるようにすることは、競争上問題だと総務省にも申し上げている」とコメントした。