「NTTドコモでiPhoneを買ったら箱に記名させられた」――。そんな投稿をSNSで最近よく目にする。NTTドコモを含む携帯電話キャリア広報に具体的な条件や注意点を問い合わせた。

NTTドコモ

―― いつからどの店舗で実施しているのでしょうか。

NTTドコモ広報 6月3日から割引施策を実施している全国の店舗で、転売対策として行っております。

―― どんな人が記名の対象になるのでしょうか。

NTTドコモ広報 対象は割引施策に同意し、割引施策の対象機種を購入した人です。

―― 割引施策とはどのような内容でしょうか。

NTTドコモ広報 機種購入特典といい、特定の店舗、期間において対象機種を購入した場合に受けられる割引(機種代金から割り引かれる)です。

―― 記名を断ることは可能でしょうか。

NTTドコモ広報 記名は割引提供の適用条件ですので、割引を受けなければ記名を断れます。端末が特価になるような割引施策がない場合も、同様に記名なしで購入できます。

KDDI

―― 御社でもNTTドコモと同様の取り組みを行っているのでしょうか。

KDDI広報 現時点では決まったことはありませんが、転売についての課題を承知しており、代理店さまと協議しながら対応を検討していきます。

ソフトバンク

―― 御社でもNTTドコモと同様の取り組みを行っているのでしょうか。

ソフトバンク広報 ソフトバンクではドコモのような取り組みは行っておりません。

楽天モバイル

―― 御社でもNTTドコモと同様の取り組みを行っているのでしょうか。

楽天モバイル広報 現時点では、弊社にて同様の取り組みは実施しておりませんが、転売防止策については検討を進めております。ご案内できるタイミングでお知らせいたします。

●この転売対策手法、効果はあるのか

 NTTドコモが行っているこの転売対策は賛否が分かれそうだ。

 そもそも高額なスマートフォンの販売手法については、過去にMNPで乗り換えると現金や商品券など数万円相当がキャッシュバックされるケースが目立った。2019年10月施行の「改正電気通信事業法」で「回線と端末の完全分離」に加え、端末値引きの上限額が「2万2000円」と定められ、過度なキャッシュバック合戦は行われなくなった。

 しかし、2021年頃から販売代理店などは回線契約を条件とした2万2000円の割引、回線契約不要、さらに店舗独自の割引を組み合わせて、端末代金を大きく値引く手法を積極的に使うようになった。多くの店舗で「iPhone 一括1円」という広告を見るようになった。

 結果的に箱を含めた未使用品を高く買い取る業者への転売が増えてしまい、それを防ぐ目的でNTTドコモが“箱に記名”という苦肉の策を打ち出した。

 ある一般ユーザーの投稿には箱に記名させられた旨と、「値引きの条件に入っている」と書かれている。一方で、油性ペンで書かれた文字を消す方法を投稿するユーザーもいるため、この転売対策にどこまで効果があるのか疑問だ。自らは転売をしていない一般ユーザーにとっては迷惑極まりない話だろう。中には箱を含めた売却を想定するため、記名済みの箱によって買取価格に影響しないのか、という点を心配する声もある。

 今後、こうした転売対策が当たり前になるのか、あるいは記名とは別の転売対策が生まれるのか、気になるところだ。