OPPOの最新5Gスマートフォン「OPPO Reno 7 A」をレビューする。Reno7 Aは目立ちすぎない見た目や、優しい手触りなど“スペックに現れない部分”にこだわりのあるミッドレンジモデルだ。

 オープンマーケット版(いわゆるSIMロックフリー版)は、Amazon.co.jpや量販店、MVNOなどで販売される。OPPO公式オンラインショップでの直販価格は4万4800円(税込み)。大手キャリアでは、au/UQ mobile、Y!mobile、楽天モバイルやMVNO各社が販売する。

 OPPO Reno 7Aは薄型・軽量に防水・おサイフケータイなどのニーズの高い機能を一通りそろえて、SNSや動画再生などに必要十分な処理性能を備えたモデルだ。画面サイズは6.4型でサイズは73.4(幅)×159.7(高さ)×7.6(奥行き)mmで、重量は約175g。縦横比は20:9とやや縦長寄りだ。

 デザインでは「OPPO Glow」と名付けられた、薄い樹脂を何層かに重ねて成形する背面加工を採用。光がかかると、薄日がかった虹のような柔らかい色彩を放つ。ミドルレンジで多い樹脂製のボディーだが、プラスチックの素材感をあえて隠さずに、むしろ生かして親しみやすい質感に仕立てている。

 ほどよく厚みがあり、側面は端部が面取りされた形状となっている。背面のザラザラした手触りが手にフィットするため、ホールド感は良好だ。

 前面ディスプレイにはAGC製の強化ガラス「Dragontrail STAR2」を採用し、耐久性を高めている。また、これまでのOPPO製スマートフォンと同様に、画面保護フィルムは出荷時から貼り付けられた状態となっている。

 ディスプレイの下辺中央に画面内指紋センサーを備えており、素早くロック解除できる。指紋センサーの位置はやや画面下寄りだが、端末を取り出して底部を支えながら持ち替えたときにちょうど親指が来る位置と考えると、違和感のない場所にある。

●発色の良い有機ELディスプレイを搭載

 OPPO Reno7Aのディスプレイは6.4型で有機EL。液晶ディスプレイ搭載の前世代モデル(Reno5 A)と比べると色再現性が高く、写真を鮮やかに表示できる。解像度もフルHD+(1080×2400ピクセル)と必要十分だ。また、90Hzの可変リフレッシュレートをサポートしており、SNSなどのスクロール操作時を滑らかな表示になる。

 細かな弱点を挙げるなら、最大輝度は600ニトと有機ELとしては控えめだ。また、Reno7 AのディスプレイはHDR再生に非対応となっている。

 この輝度の低さは明るい屋外での視認性に影響がありそうだが、実際には気にする必要はなさそうだ。炎天下の屋外で利用してみたり、ハイエンドモデルと比べてみたりしても、画面が見づらいと感じることはなかった。一方で、HDR非対応のため、特にNetflixなどの海外ドラマで暗いシーンを表示するときには若干見づらいように感じた。

 オーディオ面について、内蔵スピーカーはモノラル仕様。音の迫力はないが、割れんばかりの大きな音で再生できる。可もなく不可もなくといった印象だ。外部出力として3.5mmのイヤフォンジャックを搭載し、有線イヤフォンを利用できる。また、FMラジオチューナーも搭載している。Bluetooth オーディオは高音質コーデックのaptX HDやLDACをサポート。多くのスピーカーでハイレゾ相当の音源が再生できる。

●ジェスチャー操作が豊富な「ColorOS 12」搭載

 OSはAndroid 11で、OPPO独自の画面UI「ColorOS 12」を搭載する。独自UI(ユーザーインタフェース)とはいえ、他社のAndroidスマートフォンと操作が変わる部分は多くない。独特なジェスチャー操作がいつくか入っていたり、壁紙関連のカスタマイズ機能があったり、メーカー製アプリが多めに入っているという程度の差だ。カスタム要素は、それぞれ実践的に活用できるように設計されている。

 例えば壁紙では、自分で撮った写真から色を検出して、抽象的な静止画を作成する機能を搭載している。また、画面消灯後に数秒表示される常時点灯には「人物写真から線画を生成して壁紙にする」という機能もある。意中の人を待ち受けにするのも一興だろう。

 ジェスチャー操作で実用的なのは、「3本指の上スワイプ」で画面分割を起動できるもの。YouTubeなどの動画を見ながら他のことをしたいときに便利だ。また、マルチウィンドウ操作は上下2分割だけでなく、ポップアップ表示もサポートする。LINEなどのメッセージアプリを立ち上げたまま他の作業をしたいときなどに活躍するだろう。

●カメラはそつなく撮れる、4K動画は非対応

 背面カメラは広角4800万画素/F1.7、超広角800万画素/F2.2、マクロ200万画素/F2.4の3眼構成。インカメラは1600万画素/F2.4となっている。高画素の広角センサーを主力として、超広角やマクロをサブカメラで補完する構成だ。前世代モデルと比較すると、4K動画撮影への対応が省略されているのが大きな違いだ。

 静止画撮影では、AIによる被写体認識を活用して、そつなく撮れる印象。写真を拡大するとアラが目立つが、暗所や夜景もある程度は撮影できる。また、撮影時に適用できるフィルターや、背景に“玉ボケ”を作り出す「ネオンポートレート」機能など、楽しい撮影機能もいくつか搭載している。

 以下では筆者が撮影した写真をいくつか紹介する。カメラについて詳しくは荻窪圭氏によるレビューを参照されたい。

→・「OPPO Reno7 A」のカメラを試す Reno5 Aから画素数が減っても高画質 ただし動画は残念

OPPO Reno7 Aの作例

●防水・おサイフ対応、“必要十分”なスペック

 OPPO Reno 7 Aのスペックは「必要十分」の一言で表せる。割り切る部分は割り切って、製造コストとのバランスを取っている印象だ。

 一方、日本特有のニーズにもきっちり対応しているのはReno7 Aの強みといえる。防水・防塵(じん)は、IPX8/IP6X相当。おサイフケータイも搭載する。バッテリー容量は4500mAhと大きめで、18Wの急速充電をサポートする。

 “割り切り”は主にプロセッサ、ディスプレイ、カメラなどに見られる。まず、プロセッサはミドルレンジのSnapdragon 695 5Gを搭載する。先代のReno5 Aが搭載するSnapdragon 765Gと比較すると、型番のグレードは1つ下だが、実際のパフォーマンスは、Snapdragon 695がやや上回る。

 ベンチマークアプリの「GeekBentch 5」で計測してみたところ、シングルコア性能が685、マルチコア性能が1942というスコアとなった。これは「Galaxy S9」など、4年前のフラグシップモデルが搭載するSnapdragon 845をやや上回る結果だ。また、2021年6月掲載の記事で紹介している、Reno5 AのGeekBentch 5のスコア(マルチコア)は1710で、Reno7 Aが上回っていることが分かる。

 メモリ(RAM)は6GBと、2022年発売のミッドレンジとしては多めの設定。ストレージの一部をキャッシュとして使用する「仮想メモリ」機能を備えている。内蔵ストレージは128GBで、最大1TBのmicroSDをサポートする。

 Wi-Fiは、Wi-Fi 5(802.11ac)までの対応となっており、最近規格のWi-Fi 6には非対応。5Gは各キャリアのSub-6周波数帯をサポートするが、NTTドコモのBand n79には非対応となっている。モバイル通信ではデュアルSIMをサポートしており、nanoSIM×2(microSDと排他)または、nanoSIM+eSIMの組み合わせで、2回線同時待ち受けが可能だ。

●“3年使える”かは人によるが、ポテンシャルはある

 さて、OPPOはReno7 Aに「ときめき、長持ち。」というキャッチフレーズを付けている。その根拠の1つが、独自の「システム劣化防止機能」だ。スマホの利用で蓄積するキャッシュなどをクリーニングすることで、「36カ月の利用後もシステム劣化を5%以内に抑えられる」としている。

 このシステム劣化機能の有効性は、OPPOの研究室内での試験データに基づいており、短期間の試用でその検証を裏付けるのは難しい。ただし、時間をかけて充電することでバッテリー劣化を抑える機能や、仮想メモリ機能など、長期間使うほど効果を発揮する機能は確かに搭載されている。

 一方、OSバージョンアップについては、不透明な部分もある。オウガ・ジャパンの担当社は製品発表時のインタビューにて、「1回のOSバージョンアップを準備しているが、2回目以降は調整中」と明らかにしている。発売当初のOSはAndroid 11ベースのため、2回目のOSバージョンアップが提供されたとしても、2022年リリース予定のAndroid 13をベースとしたものになるだろう。

 3回目以降のアップデートが提供されないならば、3年後には2世代前のOSを搭載するスマートフォンとなる可能性もある。もっとも、OPPOがOSバージョンアップを確約できないのは致し方ない事情もある。Android OSが何世代サポートできるかは、チップセットメーカー(このモデルではQualcomm)と、Android OSを提供するGoogleの方針によって左右される。また、Android 13の次世代のOSは、現時点では姿も形もないため、そもそも対応できるかを保証することも難しいだろう。

 ユーザー目線から「3年使えるか」を評価するとしたら、筆者は「使える人もいるだろう」と考える。Reno7が向かない人は明確だ。例えば、アクションゲームなど、性能が求められるゲームを多くプレイする人や、何度も充電するほど使いこむような人には、このスマホは適さないだろう。

 生活の中でスマホを使う頻度がそれほど多くない人ほど“ハマる”スマホかもしれない。例えばLINEや電話、スケジュール確認が主な用途で、たまに動画を1〜2時間見るという程度の使い方なら、バッテリーの劣化を抑えて、長く使い続けられるだろう。

 ヘビーユーザーには物足りなさを感じる部分もあるが、(少なくとも発売時点では)ほとんどの用途をこなせるスペックを備えている。価格も比較的手ごろなため、ヘビーユーザーにとってはサブ端末として活用する余地がありそうだ。

 一方で、Reno7 Aには軽量さや手触りの良さ、ほどよく大きい画面など、手に持ってみて初めて良さを感じる部分もある。人によっては「価格の手ごろさから手に取って、気づいたら長く使っていた」という“スルメ”のような存在となりうる1台だ。