2022年秋にリリースされる「iOS 16」は、iPhone 6s/6s Plus、iPhone 7/7 PlusとiPhone SE(第1世代)が対象外となった。いずれもホームボタンを搭載したiPhoneだが、これでホームボタン搭載のiPhoneで最新OS(iOS 16)にバージョンアップできる機種は、「iPhone 8/8 Plus」「iPhone SE(第2世代)」「iPhone SE(第3世代)」のみとなった。

●中古市場でツートップのiPhone 7とiPhone 8

 今回のOSバージョンアップ打ち切り対象のモデルは2016年以前の発売ということもあり、新品よりも中古で購入するケースの方が多いだろう。中でも人気なのがiPhone 7。iPhone 6s/6s PlusやiPhone SE(初代)は、中古販売ランキングトップ10などでほぼ姿を見かけなくなったが、iPhone 7はいまだiPhone 8と並んで上位の常連に君臨している。

 iPhone 7とiPhone 8ともに、幅約67mmのボディーに4.7型ディスプレイを搭載しており、現行スマートフォンの中では小型の部類だ。Touch ID(指紋センサー)内蔵のホームボタンや1200万画素のアウトカメラ、700万画素のインカメラ、IP67の防水・防塵(じん)性能、おサイフケータイ対応など、スペック面で共通する部分も多い。

 大きな違いは、プロセッサと背面の素材。プロセッサはiPhone 7がA10 Fusion、iPhone 8がA11 Bionicを採用している。背面素材はiPhone 7のアルミからiPhone 8はガラスに変更され、iPhone 8のみワイヤレス充電に対応している。

 販売価格の違いも見てみよう。ゲオが扱っている中古良品(状態A)の場合、ドコモのiPhone 7は1万1000円台(税込み、以下同)〜1万9000円台、ドコモのiPhone 8は1万5000円台〜2万6000円台となっており、4000円〜7000円の差がある(いずれも2022年7月20日時点のもの)。

●新OS打ち切りでiPhone 7の価格が下落する?

 中古での売れ筋iPhoneの一角を占めるiPhone 7のOSアップデートが打ち切られることで、中古市場にどのような影響が出るのだろうか。中古スマホを扱う、ゲオ、Belong(にこスマ)、ニューズドテック(旧携帯市場)に聞いた。

 ゲオは、iPhone 6sやiPhone 7がOSバージョンアップの対象外になっても、「取り扱い中止や、極端な値下げなどの影響は出ない」と予測する。「他の商品同様に年月の経過とともに価格を落としながら販売していきます」「既に発売から5年以上が経過しており、買い取りのピークは越えているため、緩やかに価値が下がっていくとは考えられますが、大きな影響はないと思われます」とのことで、すぐさま価格が下落することはなさそうだ。確かに、ゲオの中古販売ランキングで、5月と6月でiPhone 7の価格は3キャリアとも変動していない。

 Belongは「当面は取り扱いを継続いたしますが、徐々にiPhone SE(第1世代)やiPhone 7への需要が、iPhone 8やiPhone SE(第2世代)に移行していくものと考えております」とコメント。中古市場では、いまだホームボタンを搭載したiPhone人気が根強く、iPhone 8やiPhone SE(第2世代)が売れるようになると考えるのは自然なことだ。

 ニューズドテックは「これから一定期間影響が出ます。対象外の端末の買い取り量が増えることで、需要と供給のバランスから価格が下落します。需要は減っていないので、売買が活発になります」とみる。iPhone 6sやiPhone 7から他の機種に乗り換えるユーザーが増えることで、買い取りが増えることも容易に想像がつく。需要を超えるほど多くの端末が買い取られ、中古市場で流通することで、iPhone 6sやiPhone 7の価格が下落する、というわけだ。

 にこスマでは、6月におけるiPhone 7の価格が5月の1万6370円から1万3400円に下落しており、店舗や業者によっては価格の変動が起きているようだ。

●iPhone SE(第2世代)がiPhone 8と並んで売れるようになる?

 現在、中古スマホの売れ行きはiPhone 7とiPhone 8が人気を二分している状況だが、ゲオは「既に売れ行きの1番手は、iPhone 8に移行しており、徐々に8以降の売り上げシェアが上がっていくものと思われます」と予測。やはり、今後はiPhone 8一強になるのか。あるいは、iPhone SE(第2世代)が割って入るのか……。

 ゲオ(状態A)の価格を見ると、iPhone SE(第2世代)は2万5000円台〜3万9000円台で、iPhone 8より1万円〜1万3000円高い。iPhone 8が2017年9月発売なのに対し、iPhone SE(第2世代)は2020年4月発売と約2年半の差がある。本体のデザインは両モデルで共通しているものの、プロセッサはiPhone 8がA11 Bionicなのに対し、iPhone SE(第2世代)はiPhone 11シリーズと同じA13 Bionicを搭載しており、性能差は大きい。

 1万円以上の価格差があるのは納得だが、価格差がiPhone 7と8並みに縮まらなければ、iPhone 8と人気を二分するには時間がかかりそうだ。ニューズドテックは「iPhone 8とiPhone SE(第2世代)が人気の中心になる」と予測しつつ、値崩れはしないとみる。「昨今の買い取り価格が高値維持の傾向と、中古スマホの世界的に人気からも、本来であれば値崩れが年を追うことに出てきますが、今回に限り、値崩れはしなそうです。恐らく、今のiPhone 8とiPhone SE(第2世代)の価格はこのままいくでしょう」

 1つだけいえるのは、今後も中古スマホ市場でiPhone 8の人気は盤石であるということ。

 「今までiPhone SE(初代)やiPhone 7を使用されていた方は、『iPhoneが良いが、スペックは最低限でも良く軽量でホームボタンがあるモデルが良い』という方も多く、多くの方はiPhone 8やiPhone SE(第2世代)、iPhone SE(第3世代)への乗り換えを検討されると予測します」(Belong)

 iPhoneはホームボタンを備えないモデルが主力とはいえ、ホームボタンを望むユーザーはまだ多い。ニューズドテックも「物理ホームボタンの需要はずっと残る」とみる。「ホームボタン搭載」「2万円前後の低廉な価格」「最新OSにも対応」という3つの理由から、中古iPhone 8の王座は今後も揺るぎないだろう。