1型センサー搭載スマホといえば、7月に発売されたシャープの「AQUOS R7」が思い浮かぶが、海を超えた向こうにはもう1つの1型センサー搭載スマートフォンとして、「Xiaomi 12S Ultra」が発売された。今回はこのXiaomi 12S Ultraを入手することができたので、カメラ機能を中心に紹介していく。

 なお、今回使用した端末は技適を取得しておらず、日本で電波を発して使用すると電波法違反になるため、フライトモードに設定して使用した。

●ライカとのコラボレーションでカメラ性能を大幅に強化

 Xiaomi 12S Ultraは7月4日に発表され、1型のセンサーとライカ(Leica)とのコラボレーションが話題を呼んだ機種だ。先立って日本ではシャープよりAQUOS R7が発表されたが、発売時期がほぼ同じとなったことで、興味を示したユーザーも多いのではないだろうか。

 スペックは申し分ない。プロセッサにはSnapdragon 8 Gen 1の改良版ともいえるSnapdragon 8+ Gen1を搭載。メモリは8GBまたは12GB、ストレージは256または512GBに設定されている。葉脈からヒントを得た冷却機構を搭載するなど、パフォーマンス維持にも抜かりがない。

 ディスプレイは6.73型の有機ELと大型で、120Hzのリフレッシュレートにも対応。本体スピーカーはherman kardonが監修している。バッテリー容量は4860mAhで、67Wでの急速充電や最大50Wの無接点充電、リバースチャージに対応する。

 Xiaomi 12Sシリーズ最上位にあたるXiaomi 12S Ultraは、カメラを意識したデザインを取り入れている。本体にはライカのロゴ加えて、レンズはVARIO-SUMMICRONを冠するものを採用している。レザー調の背面デザインとなっているところも、同社のカメラを意識しているように感じる。

●ダイナミックレンジの広さに驚き Huaweiスマホに通ずる部分も

 ライカ監修で1型センサー搭載とあれば、これは使わずにはいられない。ということで、街に繰り出していくつか撮影してみた。本体プリセットのフィルターを使用したものもあるが、基本的にオートモードで撮影している。

 撮影してみるとダイナミックレンジの広さに驚かされる。色の表現はもちろん、奥行き感もしっかり出ていると感じる。

 上記のダイナミックレンジに加え、1型と大型のセンサーとF1.9と明るいレンズの関係でボケもキレイに出てくる。

 シリーズ最上位モデルにあたるXiaomi 12S Ultraは、超広角レンズと光学5倍望遠レンズを備える3眼構成だ。超広角では周囲の風景をダイナミックに切り取ることができ、5倍望遠は手ブレ補正も優秀で、遠くの被写体もキレイに撮影できる。

 備え付けのフィルターを使えばライカらしいモノクロ撮影も可能だ。また、今回の作例につけているライカのウオーターマークは、撮影後に数パターンから選んで編集することができる。

 ここまで何枚か撮影してみたが、かつてライカとコラボしていたHuaweiのスマートフォンに近いものを感じた。初期設定ではやや色が濃い傾向だったが、端末内のフィルターを使うことで、Huaweiや同じくライカとコラボしているシャープのスマートフォンのような色味の写真を撮影できる。

 チューニング的には見た目に忠実な写真を撮るのではなく、どこかアーティスティックで映えるような感覚の写真になる。誰でも簡単に感性を刺激してくれる写真が撮れるコンセプトは、ライカコラボ後のHuaweiのスマートフォンに通ずる部分だ。

●ライカとのコラボでカメラに対するアプローチが変わる

 Xiaomiスマートフォンの中にも、カメラ性能が高い機種は多いが、画像処理がやや不自然だったり、誇張して出力したりすることも多かった。「ハードウェアスペックが良くてもソフト処理が惜しい」という意見も散見された。ライカと組んだことで、ソフトウェア処理も大きく変わってきている。

 過去にライカとコラボした機種で撮り比べてみた。デフォルトの色味は若干異なるが、ディティール処理や影の表現などはかなり近い。

 このように、画像処理技術が進化していくと、かつてのHuaweiのように「安い機種でもカメラ性能が高い」という商品展開が可能になると考える。Huaweiが制裁下で厳しい状況が続く中、この立ち位置は日本でもXiaomiが取って代わるのではないかと考える。   

 Huaweiと同様に、上位モデルがライカと手を組む一方、安価な機種にもそのようなノウハウが生かされる。シャープも上位機種のノウハウを普及価格帯のsenseシリーズに取り込むなど、他社と技術的に交流があることで安価なスマートフォンでも写真のアプローチは変わってくるはずだ。

●日本円で約12万円、コストパフォーマンスも高い

 そんなXiaomi12S Ultraは中国にて5999元(日本円で約12万円前後)から販売されている。日本ではAQUOS R7がライカ監修の1型センサーを搭載したスマートフォンとして知られるが、こちらはキャリアとの兼ね合いもあってか、安価なソフトバンク版でも約19万円(税込み)の価格設定となる。加えて、Xiaomi12S UltraはAQUOS R7にはない超広角や望遠カメラを備えるなど「上位機種」のように映った方もいただろう。

 AQUOS R7と同容量となるメモリ12GB、ストレージ容量256GBの設定で比較しても、Xiaomi 12S Ultraは約14万3000円(税込み)となる。あれだけの機能を盛り込んでなお、5万円近い価格差を考えるとXiaomiのコストパフォーマンスの高さがうかがえる。

 日本市場でもFeliCa搭載機種やコストパフォーマンスの高い機種で存在感を示しているXiaomi。ライカとコラボしている上位モデルが日本に上陸するのかも注目だ。