「LINEMO(ラインモ)」は、ソフトバンクが提供しているオンライン専用の料金プランです。今回は、このLINEMOのメリットとデメリットと、LINEMOがオススメな人とオススメでない人を解説します。
LINEMOはソフトバンクと同等の通信品質なのに料金が安く、さらに現在実施中のキャンペーンも非常にお得です。一方、オンライン専用ブランド特有のデメリットもあるので、本記事をよく読んでから契約しましょう。なお、記事中の料金は全て税込みです。
●LINEMOのメリット
月額990円/3GBからの安価な料金、各種手数料も無料
LINEMOの最大のメリットは料金の安さです。ソフトバンクやドコモ、auから乗り換えれば毎月のスマホ料金を大きく節約できます。
LINEMOでは、データ通信が毎月3GB使える「ミニプラン」と、毎月20GB使えるスマホプランの2つが選べます。月3GBのミニプランは月額990円で、筆者もこのミニプランを契約しています。
LINEMOとよく比較されるY!mobile(ワイモバイル)で月3GB使えるシンプルSは月額2178円なので、LINEMOは半額以下です。Y!mobileの「シンプルS」も「家族割」または「おうち割 光セット(A)」を適用すれば月額990円になりますが、LINEMOは家族割やおうち割 光セット(A)がなくても月額990円です。ソフトバンクで3GB使う場合、家族割やおうち割適用後の最も安い場合でも月額3278円かかります。LINEMOの3倍以上ですね。
月20GBの「スマホプラン」は月額2728円です。Y!mobileは月25GBの「シンプルL」が月額4158円、家族割かおうち割 光セット(A)を適用しても月額2970円なので、月20GB使う場合はY!mobileよりLINEMOの方がお得です。ソフトバンクは家族割とおうち割を両方適用しても月額4928円なので、LINEMOの方が1カ月あたり2200円も安いです。
ただし、家族割かおうち割 光セット(A)を適用できる方はY!mobileでデータ使用量を月15GBに抑えれば月額2090円になり、LINEMOよりY!mobileの方が安くなります。
また、LINEMOの安さは料金だけではありません。契約時の初期費用に加え、SIM交換手数料、SIM再発行手数料も無料です。eSIMの移行や、SIMカードとeSIM間の変更も無料なのは安心ですね。容量を使い切った際のデータ追加購入も550円/1GBと、ソフトバンクやY!mobileよりも安いです。
キャンペーンが豪華、990円が半年間実質無料の特典も
豪華なキャンペーンもLINEMOのメリットです。
月3GBのミニプランを契約される方は、契約翌々月から6カ月間、毎月990円相当のPayPayポイントが付与されます。ミニプランの基本料金は月額990円なので、6カ月間実質無料になります。さらに2023年1月31日までに申し込んだ方は実質無料の期間が6カ月から8カ月に延長されます。ミニプランの契約は1月31日までがお得です。
月20GBのスマホプランも新規契約なら3000円相当、他社から乗り換えなら1万円相当のPayPayポイントがもらえるキャンペーンも実施しています。ただし、他社から乗り換え時の還元額は月に1〜2回のペースで増額されるので、他社から乗り換の方は増額を待った方がお得です。
さらに、通話定額オプションが契約月を含む13カ月間550円割引になるキャンペーンも実施しています。1回5分以内の国内通話が無料になる「通話準定額」は月額550円なので、1年間は無料で使えます。時間無制限かけ放題の「通話定額」も1年間は550円割引されて月額1100円です。
LINEのデータ消費ゼロ、ビデオ通話も対象
LINEMOのミニプランとスマホプランには、LINEアプリのトーク、音声通話、ビデオ通話はデータ容量を消費しない「LINEギガフリー」というサービスがあります。
LINEによるトークと音声通話はほとんどデータ容量を消費しないのであまり気にする必要はありませんが、LINEのビデオ通話はデータ消費容量が大きいです。LINEモバイルが公開したデータによると、1時間のビデオ通話で307MB程度を消費するとのことでしたが、これがLINEMO契約者はカウントされません。
また、データ容量を使い切って通信制限がかかった後でも、LINEのトーク、音声通話、ビデオ通話は通常の速度で通信できます。
通信速度が1日中速く、昼も速度が遅くならない
格安SIMキャリアを選ぶ際、筆者が最も重要視するのが通信速度です。格安SIM間の料金の差は小さくなりましたが、通信速度の差は今でも大きいです。その点、LINEMOは通信速度が1日中速いのがメリットです。
格安SIMには、回線が混雑するお昼や、朝夕の通勤ラッシュの時間帯に速度が遅くなるサービスがあります。筆者も毎月主要な格安SIMの通信速度を測定していますが、昼は1Mbps以下どころか通信制限時と同じくらいに遅くなるキャリアもあります。そのため、「格安SIMは速度が遅い」というイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、LINEMOは大手キャリアの回線設備を借りて運営する「MVNO」ではなく、ソフトバンクのオンライン専用ブランドという位置付けです。そのため、ネットワーク品質はソフトバンクと同じで、昼も遅くなりません。筆者も回線が最も混雑する平日昼の12時30分にLINEMOの速度を測定してみましたが、全く問題のない速度が出ていました。
毎月の容量をオーバーしても300kbpsか1Mbpsで通信できる
LINEMOは通信制限時の速度も他社より速いです。
月20GBのスマホプランは速度制限がかかっても最大1Mbpsで通信できます。1Mbps近い速度が出ていればWebサイトやSNSも「ちょっと画像の表示が遅いかな?」くらいで使えますし、YouTubeも画質を抑えれば詰まらずに視聴できます。サクサク快適とまではいえませんが、ある程度のことは何でもできる速度です。
月3GBのミニプランは容量を使い切ると最大300kbpsに制限されます。ソフトバンクの通信制限時の最大速度は128kbpsなのでそれよりは速いですが、300kbpsだとできることは限られます。
LINEのトークや音楽ストリーミングの視聴などは問題なくできますが、動画視聴、WebブラウジングやSNS閲覧はかなりつらいです。前述したようにLINEMOは550円/1GBでデータチャージできるので、容量を使い切ったら素直にチャージするのがオススメです。
他にもeSIMが選べる、最低利用期間や違約金がないなどのメリットもあります。詳しくはLINEMO公式サイトでご確認ください。
●LINEMOのデメリット
データ容量は3GBと20GBの2つしか選べない
LINEMOの最大のデメリットは選べるプランが少ないことです。
LINEMOの料金プランはデータ通信容量が月3GB使えるミニプランと月20GBのスマホプランの2つのみです。そのため、毎月のデータ使用量が3GB〜10GBの方や、20GB以上の方はLINEMO以外がオススメです。
毎月のデータ使用量が3GB〜10GBの方はOCN モバイル ONEがオススメです。6GBコースが月額1320円、10GBコースは月額1760円と安く、通信速度は昼でも速いです。通話料金が自動で半額になる、スマホが安く買えるといった特徴もあります。ドコモ回線の格安SIMではahamoと並んでオススメのキャリアです。
20GB以上使う方はソフトバンクでもいいですが、楽天モバイルやUQ mobile(UQモバイル)も検討しましょう。楽天モバイルはデータ使い放題で月額3278円です。Rakuten Linkという専用アプリを使えば無料で国内通話かけ放題になるのもメリットですね。通信品質の面ではやや不安な面もありますが、データ容量をたくさん使う学生には最もオススメです。
UQ mobileで選べる最大容量は25GBですが、速度が制限される代わりに容量を消費しない「節約モード」があります。プランM、プランLを契約すれば節約モードをオンにしても最大1Mbpsの速度で通信できるため、これをうまく活用すればデータ使用量を大きく削減できます。
筆者も節約モードを実際に検証したところ、YouTubeは360p〜480p程度の画質までなら詰まらずに視聴できました。動画の視聴でたくさんの容量を消費している方は、節約モードで視聴すればUQ mobileのプランL(月25GB)やプランM(月15GB)でも足りるかもしれません。
リアル店舗がなく、手続きは全てオンラインで行う
LINEMOには店舗がありません。契約やトラブル発生時も全てオンラインで手続きが必要です。全国のソフトバンクショップでもサポートしてくれません。LINEMOの手続きや設定自体は簡単ですが、何かあったときに駆け込める店舗があった方が安心という方もおられるでしょう。
そんな方にはY!mobileがオススメです。Y!mobileなら全国に店舗があり、契約時やトラブル時も店舗でサポートが受けられます。基本料金はLINEMOより少し高いですが、家族割かおうち割 光セット(A)を適用すれば同程度の料金で使えます。店舗があった方がいいという方は、Y!mobileも検討してみましょう。
他にも「端末を販売していない」「低速モードがない」「余ったデータは繰り越しできない」などのデメリットもあります。詳しくはLINEMO公式サイトでご確認ください。
●LINEMOがオススメな人、オススメでない人
LINEMOがオススメな人は、以下に当てはまる方です。
LINEMOがオススメの人
・月のデータ使用が3GB以下、または10〜20GB
・ソフトバンクを契約中で月のデータ使用が20GB以下
・Y!mobileを契約中(家族割/おうち割なし)で月のデータ使用が3GB以下
・LINEビデオ通話をよく使う
特に現在ソフトバンクを契約中で月のデータ使用量が20GB以下の方は、LINEMOに乗り換えることで大きく月額料金を節約できます。家族割とおうち割光セット(A)を適用せずにY!mobileを契約している方もLINEMOへの乗り換えを検討しましょう。
一方、以下の方はLINEMOより他キャリアの方がいいかもしれません。
LINEMOがオススメでない人
・月のデータ使用が3〜10GB
・月のデータ使用が20GB以上
・店舗がないと不安
LINEMOは月3GBと月20GBの2つのプランしか選べないので、月のデータ使用量が3GB〜10GBの方や20GB以上の方は他キャリアがオススメです。3GB〜10GBの方はOCN モバイル ONEも検討しましょう。20GB以上の方は月額3278円でデータ使い放題の楽天モバイルや、UQ mobileのプランMかプランLで節約モードを活用するのもオススメです。
以上、LINEMOのメリット、デメリットの解説でした。LINEMOのミニプランは料金が6カ月間実質無料になるキャンペーンを実施中です。さらに2023年1月31日までに契約すれば無料期間が8カ月間になるので、1月中に契約することをオススメします。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
・Twitter:@simlabo_jp
・サイト:https://www.sim-labo.jp/