電気の需給がひっ迫し、日本卸電力取引所(JEPX)の電力取引価格が高騰している。市場から電力を購入する「市場連動型」電気料金プラン利用者の中には先月に比べて電気代が数倍になるケースもあると見られ、各地の電力小売事業者が対応に苦慮している。

 市場連動型プランは、2016年の電力自由化によって登場した新しい料金プランの1つ。JEPXの取引価格に連動して従量料金の単価が決まるため、市場価格が高い時間帯を避けて節約できるなどのメリットがある。

 しかし12月下旬から続く厳しい寒さで電気の需要が増え、海外から輸入しているLNG(液化天然ガス)不足も手伝ってJEPXの取引価格は高騰。昨年12月中旬まで10円/kWh前後で推移していたが、1月9日に史上最高値の120円/kWh超をつけると10日には一時150円/kWh、12日には200円/kWhを超える場面もあった。

 市場連動型プランは市場価格が安いときは電気代がかなり安くなるが、市場価格が上がるとリニアに上がってしまう。先月の10倍以上という電力取引価格の高騰に、市場連動型プランを提供している各地の電力小売事業者は対応に追われた。

 エルピオでんき(千葉県市川市)は市場価格の高騰を受けて市場連動プランの受付を停止。提供するプランがすべて市場連動型というテラエナジー(京都市右京区)は2月までの新規契約を見合わせ、1月分の請求を差し止めた。「現在、(利用者救済のため)さまざまな手段を検討している」とテラエナジーの竹本了悟社長は話す。

 ボーダレス・ジャパンが運営するハチドリ電力(東京都新宿区)は8日、「異常な高騰」について2月末まですべて同社が負担すると表明した。自然エネルギーの活用をうたう自然電力(福岡県福岡市)は11日、居住地域の電力料金を基準として超過した電気料金について1月、2月分合算で3万円を上限に値引きすると発表した。

 寒さはしばらく続くと見られており、LNGの供給状況が改善する見通しは立っていない。「暖かくなる3月ごろには落ち着くと見ているが、1、2月は予断を許さない」(テラエナジーの竹本社長)