「ワイヤレスイヤフォンを線路内に落とさないで」――。JR東日本は11月4日から東京支社管内の全78駅を対象に、線路内へのワイヤレスイヤフォンの落下防止を呼びかけるキャンペーンを始める。ワイヤレスイヤフォンに特化した防止キャンペーンは初。期間は12月27日までで、期間中は駅構内のデジタルサイネージや放送、SNSなどで防止を呼びかける。

 JR東日本によると、7月から9月にかけてワイヤレスイヤフォンが線路内に落下したケースは全78駅で約950件発生。最多は新宿駅の131件で、中野駅(48件)、上野駅(46件)と続く。新宿駅では同期間中、落とし物の申告のうちワイヤレスイヤフォンが全体の約21%を占めた。

 線路内に物を落とした場合、電車を停止させつつ駅員が捜索に向かうことになる。靴などであればホーム上からマジックハンドで拾えるが、ワイヤレスイヤフォンは小型のため、ホーム上からでは発見が難しい。

 このため、終電後に駅員が線路内に降りて捜索することになる。線路内の石の中に混ざっていることも少なくないといい、「お客さまのお手元に戻るまでに時間を要する場合もある」(同社)。「線路内に落とし物をした際は必ず係員に申告し、絶対に線路内に降りないでほしい」と呼び掛けている。

 ワイヤレスイヤフォンの中でも、米Appleの「AirPods」のように左右のスピーカー部が無線でつながる「完全ワイヤレスイヤフォン」といわれる製品は、ケーブルがない分取り回しが便利な一方で、紛失や落下のリスクも高い。そのためか、フリマアプリで製品の片側のみが出品されているケースもある。

 JR東日本によると、例えば午前8時に山手線外回りの電車を3分間止めた場合、約5千人に影響が出るという試算があるという。