ソフトバンクが2月4日に発表した2021年3月期第3四半期(20年4〜12月)の連結業績は、売上高が3兆8070億円(前年同期比5%増)、営業利益が8416億円(同6%増)、純利益が4338億円(同1%減)だった。同社は「期初に見込んでいたコロナ禍によるマイナス影響を、デジタル化や巣ごもり需要が大きく上回った」とし、通期業績予想は上方修正する。

 通信・電力などコンシューマー向け事業は売上高が2兆443億円で、前年の2兆359億円から微増。営業利益も5751億円(前年同期比1%増)と横ばいになった。移動通信サービスの分野では、5Gに今後10年間で約2.2兆円を投資し、4G通信網を転用しながらエリア拡大を進める。

 一方、ヤフーと法人向け事業は躍進。ヤフーは売上高が8738億(同15%増)、営業利益が1422億(同15%増)と2桁成長を見せ、法人向け通信、クラウド、AI事業は売上高が5078億(同8%増)、営業利益が931億(同21%増)になった。法人事業は第1四半期から第3四半期まで全てが前年同期比を10%以上上回った。

 ヤフーと法人向け事業が大きく成長した理由としてソフトバンクは、「法人のテレワーク需要が予想を上回った」「巣ごもり需要でECサイトの利用が増えた」としている。

 法人向け事業では、テレワーク需要で米Googleの「Google Workspace」、米Microsoftの「Microsoft 365」などのクラウドサービスの販売で前年同期比43%増収。AIによる体温検知システムなどIoT関連は同2.33倍、セキュリティ製品の販売で同2.04倍と、収益増加を支えた。20年12月に開業したソフトバンク史上最大(延べ床面積約4万5000平方メートル)の法人向けデータセンターで提供する保守・運用サービスも第1期は既にほぼ完売という。

 ヤフーは巣ごもり需要で「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」「PayPayモール」「ZOZO」などのECサイトの取扱高が合計で1兆945億円(前年同期比54%増)を記録した。19年11月のZOZOの子会社化も大幅増の要因になった。

 この他、PayPayは20年末に登録者数が約3500万人となり、決済回数は4月から12月末の間で、前年同期比1.7倍となる5億回と順調な伸びを見せた。

 これらを受け、2020年度通期業績予想は、売上高を5兆1000億円(期初予想から2000億円増)、営業利益を9700億円(同500億円増)、純利益を4900億(同50億増)に上方修正。業務のデジタル化でコスト削減を図り目標達成を目指すとしている。