「Google フォト」の無料無制限バックアップサービスが、2021年5月末に終了する。

 6月以降、無料プランの容量では足りない既存ユーザーは、有料プランに加入した上で今後もGoogle フォトを使い続けるか、他のフォトストレージサービスに移行するかという判断を迫られる。

 Google フォトの無料・無制限サービス終了は約半年前の2020年11月から予告されていた。発表直後のSNSなどでの反応を見ると、他社サービスへの乗り換えを検討するユーザーが挙げた具体例としては「Amazonフォト」が多かったようだ。本記事ではGoogle フォトとAmazon Photosの料金体系や機能の違いを比較し、各サービスの狙いを読み解いていく。

●Google フォトの変更点まとめ

 まず、2021年6月以降のGoogle フォトの変更点をおさらいしておこう。

 Google フォトでは、写真や動画をバックアップする際、オリジナル解像度を維持する「元の画質」、画質を維持しつつファイルサイズを抑える「高画質」というモードを選択できる。

 2021年5月末までは、高画質(=圧縮)設定では無制限、元の画質でバックアップする場合はGoogleアカウントの保存容量を消費する形となっていた。

 無料で保存できる容量は最大15GBとなるが、これはGoogle フォト専用の保存容量ではなく、同一アカウントを利用するGoogleサービス全ての合計となる。例えば、Gmailで送受信したメールや添付ファイル、Googleドライブに保存したファイルも全て含まれる。

 有料プランに移行する場合も考え方は同じで、「Google フォトの有料プラン」があるわけではなく、Googleアカウントにひもづく保存容量を追加購入することになる。容量の追加プランは「Google One」と名付けられており、最小の100GBプランなら月額250円で利用できる。

●Amazon Photosは無圧縮で容量無制限のバックアップができる

 対抗馬となるAmazon Photosを一言で説明すると、「Amazonプライム会員向けの無制限フォトストレージ」だ。

 年額4900円のAmazonプライム会員になれば、追加費用なしで容量無制限の写真ストレージを利用できる。プライム会員以外でも利用できるが、その場合は写真・動画合わせて5GBまでの保存となる。

 無料配送、お急ぎ便、プライム・ビデオなどの各種特典を目当てに既にプライム会員になっている人にとっては、実質的に「無料無制限バックアップ」に近く、Google フォトの代替サービスとしては適任だろう。

 Google フォトでこれまで提供されてきた無制限バックアップはあくまで高画質設定、つまり画像を圧縮する場合に限られていたが、Amazon PhotosはRAWデータも含め、無圧縮で容量無制限のバックアップができることも魅力だ。

 ただし、Amazon Photoで無制限に保存できるのは写真のみで、動画はプライム会員でも5GBまでの制限がある。合計5GB以上の動画を保存したい場合は250円/100GBからの追加メニューが必要となる。

●有料会員の獲得に共通点

 両社の写真ストレージサービスを比較すると、どちらも単体で成立するビジネスではなく、自社サービス全体の有料会員の獲得を目指している点で共通している。Google フォトとAmazon Photosのどちらに会費を払うべきかというよりは、GoogleとAmazonどちらのサービス群に魅力を感じるかが選択の要といえる。

 一方、あくまで無料範囲で使いたいというユーザーの場合、一見すると、Amazonは5GB、Googleは15GBと、無料の保存容量に大きな差があるように見える。

 しかし先述の通り、Googleの無料容量はGmailなどの他サービスとの合計のため、実際には15GBをフルに写真バックアップに使えるユーザーは限られる点には留意しておきたい。

●Google フォトは検索機能に強みか

 単なるファイル保存のためのクラウドストレージサービスとは違い、Google フォトやAmazon Photosのような写真・動画に特化したサービスでは、検索機能やアプリの使い勝手も重要なポイントとなる。

 アプリの操作性は好みが分かれるところでもあるだろうが、検索機能はGoogle フォトの強みの一つだ。

 例えば、被写体を分析して「車」「食べ物」などのキーワードで写真を探し出せる検索機能はどちらにもあるが、Google フォトの方が精度が高い印象を受けた。

 また、Google フォトの場合、撮影時刻とスマートフォンの移動履歴(Googleマップのタイムライン機能)を基に撮影地点を自動で推定できるので、ジオタグ(位置情報)が付いていない写真でも「撮った場所」をヒントに検索できる。これはAmazon Photosにはまねできない芸当だ。

 このような機能に慣れ親しんでいる場合、なかなかコストだけでは乗り換えを決断しにくい。裏を返せば、写真のバックアップという一見「安く大量に保存できればいい」ように思えるサービスを、プラットフォーマーならではの強みを生かして上手く差別化できている例でもある。