滋賀県の琵琶湖畔で9月に開催予定だった野外音楽イベント「イナズマロック フェス2021」がコロナ禍の影響で中止となった。主催者でアーティストの西川貴教さんは22日、滋賀県の三日月大造知事と一緒に会見を行い「苦渋の決断」を報告した。

 9月18日と19日に開催する予定だったが、昨今の感染拡大を受けて中止した。2020年はオンライン開催だったため、2年連続で屋外フェスは行われないことになった。公式サイトではチケットの払い戻し対応を始めている。

 「T.M.Revolution」「ゴールデンボンバー」「ももいろクローバーZ」「UVERworld」など16組の出演が決まっていた。イベントの代替措置については未定。西川さんは「昨年のオンライン開催のようなことができないか、各方面と協議している」と話す。

 会見の席で西川さんは、開催地との関係について時間をかけて説明した。「(フェスは)行政と主催者がぶつかり、結果として中止を選択するケースも多い。しかし我々は地域振興のため“滋賀県の催し物”として一緒にやってきた。是が非でも続けるのではなく、今後10年、20年とイベントを続けるために決断した」という。「県民の皆さんが安心して楽しめて、応援してもらえることが一番大事」。

 三日月知事も「イナズマロックフェスは(主催者と県が)一緒に作ってきたイベント。行政が主催者の意向を無視するのではなく、協議の上で『来年に向けて決意を固めようじゃないか』と決めた」と話している。

 滋賀県は7〜8月に新型コロナウイルスの感染が急拡大し「連日200人を超える新規感染者が確認されている」状況。18日には「まん延防止等重点措置」を延長した。県内の病床数は378に対して入院患者数は325(22日時点)となっている。

 会見を受けてSNSでは「残念だけど英断」「苦渋の決断ありがとう」と中止を支持する声が大勢を占めた。滋賀県出身というTwitterユーザーは県内在住の両親を心配していたとし、「残念だが決断してもらえてよかった」という。一方、主催者と県の共同会見を「誠実で良かった」と評価する声も複数あった。

 イナズマロックフェスは毎年9月中旬に琵琶湖に面した烏丸半島の芝生広場で2日間に渡り開催する野外音楽イベント。滋賀県野洲市出身で2008年に滋賀ふるさと観光大使に就任した西川さんが「音楽を通じて地元にお返ししたい」として2009年に始めた。