「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」が正式に発表されました。最近はGoogleさん自らいろいろティーザーしてくれるので、知りたい情報として残るはお値段くらいでしたが、それでも感慨深いです。

 そして、その発表動画も、パンデミック以来、Appleがオンラインイベントのレベルを上げてしまったのに近づこうという気持ちが伝わってくる感慨深いものに。オープニングはニューヨークに暮らすアジア系女性の朝で、そのまま6月に開店したチェルシーのリアル店舗につなげ、ハードウェア担当上級副社長のリック・オステルローさんが私達を迎えるという流れ。

 新機能を紹介するメンバーは、過半数が女性でその多くは非白人というのも今風。カメラの紹介ではSnapのエヴァン・シュピーゲルCEOが、リアルタイム翻訳機能の紹介ではニューヨーク在住のこんまり(近藤麻理恵)さんが登場します。

 そして、お値段も感慨深いものに。ああ、Pixelシリーズはただの「フラグシップ」じゃなくて、再び「ハイエンドのフラグシップ」になったんだなぁと思える10万円超(Proの方)。

 「Pixel 6 Pro」の価格、128GBモデルが11万6600円、256GBモデルは12万7600円です(GoogleストアでのSIMフリーモデル)。iPhoneと比較してもあまり意味はないですが、一番近そうな「iPhone 13 Pro Max」の128GBモデルは13万4800円、256GBモデルは14万6800円です。

 「Pixel 6」の価格は、先代の(ハイエンドじゃない)「Pixel 5」と同じ7万4800円から。これは太っ腹な気がします。頭がずいぶん良くなったはず(公称Pixel 5より性能80%アップ)だし、カメラの性能も高くなったし、ディスプレイもちょっとだけど大きくなったのに、お値段据え置き。

 この連載「Googleさん」恒例の比較表を今回も作りました。

 Pixel 6(以下、「無印」と呼びます)とPixel 6 Pro(以下、「Pro」)のSoCは両方とも「Google Tensor」です。2モデルの大きな違いはサイズと、背面カメラが無印は2基でProは3基、前面カメラが無印は800万画素で視野が84度、Proは1100万画素で視野が94度、メモリが無印は8GBでProは12GBなところ。

 Proにしかないカメラはテレフォトです。光学4倍ズーム。これとデジタルズームを合わせると、最大20倍のアップが撮影できるそうです。最近うちの窓から見える電線の小鳥が気になっているので、20倍で撮影したい。

 Pixel 5ユーザーの私から見ると、Proはかなりでかいです。6.7インチのスマホというと、「iPhone 13 Pro Max」や「Galaxy S21+」、「OPPO Find X3 Pro」などが仲間です。

 仲間はいろいろいても、Pixel 6シリーズ、遠くからでもすぐそれと分かる特徴があります。そう、「カメラバー」。。。

 Googleさん自身はこのバーをかなり気に入っているようで、モバイル事業部の偉い人、ナンダ・ラマチャンドラン副社長は記者向けオンライン発表会で、カメラバーを含む本体デザイン全体を「デザイン言語を大きく変えるような進化」と語りました。ふうむ、そうなのか。

 確かに特徴的です。でも、どうなんでしょう。慣れればかっこいいのかな。繊細なレンズ類は全部ガラスにカバーされているし、上下のゴールドのラインの部分がさらに少し出っ張ってるので、レンズに傷がつく心配はないようです。それに、これまでのスマホの背面はカメラのせいでほぼ確実にアンシンメトリーでしたが、このカメラバーによってシンメトリーになりました。

 Pixel 4以外のPixelシリーズにある背面の指紋認証センサーもなくなり(ディスプレイの下層に組み込まれた)、カメラバーの下は「G」マークだけの、つるっとしたデザインです。

 いつもは「スマートフォンはケースなしで使う派」ですが、今回はケース着せちゃうかも。Pixel 5と違ってガラス筐体なので、つるつるすべって落としちゃうかもしれないし。でも実物を見て触ったら、意外と見た目も手触りも気に入るかもしれないので、触ったらまた報告します。

 Pixel 6の特徴はそのデザインより、なんといっても初のオリジナルSoC、Google Tensor搭載というところです。私はベンチマークとかそういうのはあまりピンとこないですが、一番嬉しいのはこれのおかげで音声認識やリアルタイム翻訳、「レコーダー」アプリでついに日本語も文字起こししてくれるようになること。

 翻訳はGoogleのAIが頭フル回転でやるので、従来のプロセッサではバッテリーを食いすぎて「リアルタイム」は実現できなかったのだそうです。でも、TensorはAIフル回転でもバッテリー消費が従来の半分なので、実現できると。YouTubeなどのアプリでも翻訳した字幕付きで視聴できるなんて嬉しい。早口のカーラ・スウィッシャー女史とやっぱり早口なイーロン・マスクさんのインタビューを日本語字幕で見るのが楽しみです。

 自動翻訳は、コンテンツ視聴だけではなく、メッセージアプリでも使えます。Googleの音声通訳機能は2019年からありますが、リアルタイムとはちょっと言えなかったし、アプリ内でシームレスに使うこともできませんでした。記者説明会ではその場でメッセージアプリのチャットをリアルタイム翻訳してみせてくれました。ほぼリアルタイムでした。

 「Googleフォト」の新機能「消しゴムマジック」と「モーションモード」も楽しみな機能。

 「消しゴムマジック」は、写真からじゃまなものを消せる機能。Photoshopなどのレタッチアプリには昔からある機能ですが、これがGoogleフォトでできちゃう。しかも「これ、消しましょうか?」とAIが候補を選んでみせる(自分で選ぶこともできる)。サンプルは消しやすそうなものですが、これがどのくらいきれいに消せるのか自分でやってみたい。

 「モーションモード」は、ホームストレートを駆け抜けるF1マシンを横から流し撮りしたようなかっこいい写真をPixel 6でも加工して再現できる機能です。

 わんこが走る写真でやってみたいですね。

 この2つのGoogleフォトの機能は、今のところPixel 6シリーズでしか使えませんが、「消しゴムマジック」は将来的にはGoogle Tensorを搭載していないPixelでも使えるようにがんばるそうです。モーションモードはPixel 6シリーズだけの機能です。

 実はPixel 6シリーズの大きなもう1つのウリはセキュリティです。セキュリティチップが「Titan M2」になってパワーアップ。「セキュリティハブ」が「自動セキュリティチェックとプライバシー管理」をしてくれます。セキュリティのパワーアップは目には見えないので正直実感はわきませんが、「他のスマートフォンより厳重なハードウェアセキュリティレイヤを備えています」だそうです。

 大きくなって、頭も良くなったハイエンドフラグシップ「Pixel 6 Pro」。次回の「Googleさん」で実際の使用感をご紹介する予定です。

※この記事はGoogleの動向をゆるく追いかける連載「Googleさん」のコラムです。