新たな数学の定理の発見や、未証明の予想の解決にAIが役立つ──そんな研究結果を、囲碁AI「AlphaGo」などで知られる英DeepMindが発表した。順列に関する新しい定理を発見した他、ひもの結び目を数学的に研究する「結び目理論」についても、異なる数学の分野をつなぐ、予想していなかった関係性を見つけたという。

 DeepMindは、豪シドニー大学と英オックスフォード大学の数学者とともに数学研究を支援するための機械学習フレームワークを構築。これまでも数学者は、研究対象を調べるためにコンピュータを使い、さまざまなパターンを生成することで発見に役立ててきたが、そのパターンの意義は数学者自身が考察してきた。しかし、研究対象によっては何千もの次元があることから、人間による考察も限界があった。

 今回開発したアルゴリズムは、こうしたパターンを検索する他、教師あり学習を基にその意味を理解しようと試みるという。得られた結果を数学者が引き継ぎ、定理などに定式化した。

 同社は、1900年代に“インドの魔術師”の異名を取った天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンが、しばしば彼自身の夢から複雑な定理のインスピレーションを得ていたことになぞらえてAIの役割を説明する。「人間の深い直観を伴う分野で、AIが近年飛躍的な進歩を遂げ始めている」とした上で「この結果は、純粋数学の最前線でAIが役に立った最初の事例だ」と記した。

 研究成果は、英科学雑誌Natureに12月2日付で掲載された。