米人権団体のアメリカ自由人権協会(ACLU)は5月9日(現地時間)、2020年に起こした顔認識技術を手掛ける米Clearview AIとの訴訟で、Clearview AIと和解したと発表した。和解条件として、同社が米国の民間企業や個人への顔認識データベースの販売を永久に停止することに同意した。

 和解条件には、顔認識データベースを米イリノイ州政府と地方警察に5年間提供しないことも含まれる。

 Clearview AIは、SNSやWebサイト上の人間の写真を収集し、顔認識データベースを構築している。昨年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃の参加者特定に警察によって採用されたことでも知られる。また、ウクライナは、このシステムを使って戦死したロシア軍兵士を特定していると発表した。

 イリノイ州では、生体情報プライバシー法(BIPA)により、消費者が顔画像や指紋などの個人データを無断で収集する企業を提訴できる。米Meta(当時はFacebook)はこの法の下の訴訟で、6億5000万ドルの支払いに合意した。

 ACLUは発表文で「Clearviewにイリノイ州だけでなく、全米でBIPAを順守するよう要求することで、この和解は強力なプライバシー法が(顔認識技術を悪用した)虐待に対する保護を提供できることを示している」とし、「Clearviewは、人々の生体認証識別子を無限の収入源として扱えなくなった。他の企業も注意した方がいい。また、イリノイ州以外の週も強力な生体認証プライバシー法を制定すべきだ」と語った。