楽天グループの三木谷浩史社長は5月13日の決算発表会で、同日に発表した楽天モバイルの0円プラン廃止について「0円でずっと使われても困っちゃう」と漏らした。今後、通信プランの無料提供は災害時などをのぞけば無くなるが、ポイント還元を手厚くすることでグループ全体のサービス価値向上を狙う。

 楽天モバイルは13日、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を発表した。前のプラン「Rakuten UN-LIMIT VI」では、1GBまでは月額0円、最大月額3278円の変動性プランを採用していたが、新プランは最低月額料が980円となり、0円での提供をやめる。一方で楽天市場での買い物の際に付与するポイントを6月から拡大する。

 楽天グループの2021年度12月期(1月〜12月)連結決算は売上高が1兆6817億5700万円と前年比15.2%増になった。一方、営業損益は前年が938億4900万円の赤字だったが、当期は1947億2600万円の赤字と大幅に膨れ上がった。

 最大の下振れ要因は楽天モバイルでの投資だ。基地局の構築が進み、4G人口カバー率は96%に到達。KDDI回線のローミングも10%を切るまで依存度を下げている。通信プランの申し込み数も増加した。一方で投資は膨らみ、21年度は1四半期につき約1000億円の赤字を出すまでになった。

 しかし、モバイル領域での売上高は20年度が1724億5100万円だったところ、21年度は2275億1100万円と31.9%の増収を見せている。

 三木谷社長は、モバイル領域の赤字が22年第1四半期をピークに、第2四半期以降は徐々に回復するとの見方を示した。料金プランの0円キャンペーンが終了することによる有料ユーザーの増加と契約者獲得、ローミング費用の削減などで黒字化に向かうとしている。有料ユーザーは6月末までに100%に達する見込み。10月には法人向けサービスも始める。

 「(0円プランの廃止は)ユーザー1人当たりの売上金額が上がるという意味で(収益への貢献は)相当あると考えていただければと思います。(中略)いいサービスを提供するという意味では、適切な価格で提供していくというのは妥当な話であり、非常に競争力のあるサービスなので、加入についてもそんなにスローダウンしないのかなと考えています」(三木谷社長)