ベンチャー企業のS'moreは、一頭ずつ異なる犬の鼻の紋様(鼻紋)をAIで識別することで、迷い犬を探し出すスマートフォンアプリ「NoseID」のβ版を公開した。

 飼い犬の鼻の動画を撮影し、登録しておけば、愛犬が迷子になった際、周辺エリアのユーザーに通知できる。迷い犬を発見した人は、その鼻をアプリで撮影すると、登録済みの犬を照会可能。鼻紋が一致すれば、発見者と飼い主が個人情報を伏せた状態でメッセージのやり取りできる。

 犬の鼻紋は、人の指紋のように成長しても形が変わらないという。ディープラーニングを活用して鼻紋を解析し、犬を特定する。登録が増えるほど認証精度が向上する仕組み。現在、5000頭分の鼻紋データが集まっており、認証率は92%まで向上したという。まず1万頭分の登録を目指し、精度を100%に近づけていきたいという。

 登録時には、飼い犬の生年月日やワクチン接種状況、既往歴、アレルギー、薬、性格なども入力できる。災害時に愛犬と離れて避難したり、緊急時に第三者に預けたりする場合にも、預かった人が鼻をスキャンするだけで犬の状況を確認できる。

 同社によると、2011年の東日本大震災では「ペットがいなくなった」という届け出が相次ぎ、飼い主の元に戻ることができたのはわずか12.2%だったという。また、毎年全国で約2万5000頭が飼い主不明の状態で愛護センターなどで引き取られているという。

 マイクロチップの装着を義務付ける改正動物愛護管理法も施行されたが、情報を読み取る機器は保健所など限られた場所にしかないため、「もっと手軽に迷い犬を特定できれば」といった思いから、「Nose ID」を開発した。「迷子になった1頭でも多くのわんちゃんが、飼い主の元へ戻れることを切に願っています」(同社)