年間8300億円規模と急拡大するふるさと納税だが、関わる自治体や返礼品事業者の間での課題も顕在化してきた。そのうちの1つが、返礼品事業者の資金繰りだ。サイバーレコード(熊本市)、シフトセブンコンサルティング(福岡市)、GMOあおぞらネット銀行(東京都渋谷区)、カルティブ(横浜市)の4社は、この問題を解決するサービス「ARLY(アーリー)」の提供を10月6日から開始する。

 ふるさと納税では、ポータルサイトなどで寄付を決めた後、寄付金は全額自治体に入金される。その後、自治体から返礼品事業者に返礼品が発注され、返礼品事業者は発送を行うとともに自治体に請求書を出す。自治体はその翌月、または翌々月に代金を返礼品事業者に支払うのが一般的だが、ふるさと納税が急増して確保した予算を超えた場合など、議会で承認を得るまで支払いが遅れることもあった。

 GMOあおぞら銀によると、返礼品事業者からは、「ふるさと納税に参入して盛況なのだが、返礼品の発送後の自治体からの入金が遅いので資金繰りが不安」といった声もあるという。

 こうした課題を解決するため、ふるさと納税コンサルティングを手掛けるサイバーレコード、ふるさと納税業務システムを提供するシフトセブン、企業版ふるさと納税サービスを手掛けるカルティブが、銀行APIを積極提供するGMOあおぞらネット銀行と共同で開発したのがARLYだ。

 自治体と返礼品事業者の双方がARLYを利用すると、返礼品が寄付者に届くとすぐにARLYから銀行APIで振込指示がなされ、返礼品事業者に即時支払いが行われる。GMOあおぞら銀は、自治体から入金があるまで支払い額を立て替える。サービス利用料は無料だが、振込先の口座がGMOあおぞらネット銀以外の場合、330円の手数料がかかる。

 GMOあおぞら銀が推進する銀行APIを活用した。

 すでに10月から熊本県高森町での導入が決定している。返礼品事業者の課題解決は自治体の寄付金アップにもつながる。4社は各自治体へのARLY導入を推進していく計画だ。