画像AI「Midjourney」の二次元特化版「にじジャーニー」(niji・journey)のクローズドβテストが11月7日までに始まった。8日時点では順番待ちの状態で、申し込んだ人を「数週間かけてゆっくりと招待していく」(公式Twitterアカウント)という。

 運よくテストに参加できたので、実際に試したところ、これまでのMidjourneyや、「Novel AI」をはじめとした他の画像AIとはまた違ったイラストが生成できた。この記事では、記者が出力した画像を紹介。にじジャーニーが描けるイラストのクオリティーや得意苦手を検証してみる。

●Novel AIよりやや上品? いろいろ生成してみた

 にじジャーニーはMidjourneyと同様、公式Discordにコマンドなどを入力する形で画像を生成できる。利用規約もMidjourneyと同じだ。料金もクローズドβテスト中は無料になる。一部のDiscordコミュニティーを除き画像の共有も自由だが、公式Twitterアカウント名を書くなどして参照元を明記する必要がある。

 まずはシンプルなワードから入れてみる。以下は「kawaii anime girl」とだけ入力した結果出てきた画像だ。記者は先日、さまざまな画像AIを比較する記事や、ひたすらNovel AIを試す記事を書いた。にじジャーニーはそれらと比較しても、二次元のキャラクターを描くのが上手な方だと感じた。

 他のキーワードも試す。金髪で剣を持った赤いドレスの美少女を出力したいので、「gold hair,red dress,anime girl having sword」と入力してみる。繊細なタッチの絵が出てきた。以前、Novel AIにも同じお題を出したが、比較すると武器がきれいに描けている気がする。ただ、手が苦手なのは変わらないようだ。

 生成結果の画像をさらにアレンジしてもらう「バリエーション」機能もあるので、これも使ってみた。対象は左上と右上の画像。雰囲気はそのままに、細部が変わる。ただやっぱり手は安定しない。

 次はちょっと変化をつけて、外見以外の状態を指定してみる。キーワードは「sweat,cap,black long hair, manga girl」。「汗、黒い長髪、帽子、漫画の美少女」といった具合か。結果がこれだ。夏場に汗をかいているような表現になった。Novel AIと比べると少し上品だ。

 ついでに美少年も出力してみる。キーワードは「sweat,cap,black long hair,manga bisyonen」。先ほどの「漫画の美少女」部分を「漫画の美少年」にした。結果がこれだ。Novel AIほど男の子っぽくならない。「bisyonen」が無視されているのかもしれない。高解像度化する「Upscale」機能も使ってみた。

 複数人の画像も生成できる。「holding hands,girls,school」(手を握る、少女たち、学校)と入れると、手をつないだ複数の女の子が出てくる。やはり手は安定しないが。

●成人向け画像はちょっと苦手 少ないワードだと難しい

 一方で、Novel AIが得意としていた成人向け(R-18)っぽい画像はそこまで得意ではないようだ。そもそも過激なワードは利用に制限があり、入力ができない。

 どうにか制限を回避しつつ、Novel AIならセクシーな画像が出るワードを入れても、ITmedia NEWSに載せられないほど過激な画像にはならない。少なくとも3〜4語だけで出力する限りでは、R-18っぽい画像が作れなかった。

●日本語の“呪文”にも対応 結構いうことを聞く

 ここまではNovel AIを中心に他サービスと比較したが、実はにじジャーニーならではの特徴もある。それは英語だけでなく日本語、韓国語、中国語での入力にも対応していることだ。出力後のファイル名は入力したワードを英訳したものだったので「日本語を入力→翻訳→訳文を基に生成」という処理をしているとみられる。

 例えば日本語で「赤いドレスを着た長髪の少女5人組」と入力するとこんな画像が出てくる。

 「青空と街を背景に高台でたたずむセーラー服の少女」と入力するとこんな感じだ。

 「5人組」の方はなぜか5人の画像が1枚も出ない、「セーラー服」の方は青空の画像が2枚しか出ないなど、若干いうことを聞かない。ただ、構図などは記者のイメージ通りだった。

 多少のぶれはあったとしても、英語を使わず日本語の文章で望むイラストを作れるのは下調べの手間が減ってかなり快適だし、便利だ。

 他にも、記者がいろいろ試してみた出力結果をまとめておく。

●一方気になる点も 「この女の子、見覚えあるな……」

 ただ、ちょっと気になった点もある。キャラクター名など、特に固有名詞を入れない場合でも、どこかで見たような女の子が出てくるときがあったことだ。例えば最初に入力した「kawaii anime girl」は、何度か試すとアニメやゲームのキャラクターによく似たイラストが出てきた。画像の学習元が気になるが、現状公式サイトなどにそれらしき説明は見当たらない。

 Novel AIも、学習元に著作権等を考慮していない画像収集サイトを使っていた点が議論を呼んだ。にじジャーニーも、今後ビジネスとして本格的に展開するのであれば、ユーザーからさらなる透明性を求められるかもしれない。