「ソースコードを書くのは単純作業」──そんな内容の記事がITエンジニアなどを中心にTwitter上などで話題になっている。記事を掲載したのは、GitHubの日本法人ギットハブ・ジャパン。ヤマト運輸のGitHub活用事例を紹介する記事の中で、ヤマト運輸のDX推進を担当する中林紀彦執行役員がこのように発言したとしていた。

 話題となった記事では、ヤマト運輸のデータ・ドリブン経営について、中林執行役員などが解説。開発環境の内製化のためGitHubを採用したことや、2年で約100人のITエンジニアを採用したことなどを記載している。その中で、今後の展望としてGitHubを活用した内製化の新たな形を探りたいという旨で、中林執行役員の発言として以下の記載があった。

 「これまでの内製化はアウトソーシングからの見直しが主体でした。これからは、アーキテクチャのデザインや、GitHubを活用したソースコードのガバナンス・標準化が実行可能なメンバーによるコアな開発は内製化し、ソースコードを書くなど単純な作業は外部に委託するなど柔軟な対応が必要です」(原文ママ)

 この記載が、主にITエンジニアと思われる一部のTwitterユーザー間で物議を醸した。Twitter上では「ソースコードは書く人によって差が出るし、実力差はっきりするもんだと思うけど」「詳細設計まで完璧にできるITエンジニアをそろえてるってことだよね?」「何を作るかによる」「上流設計が完璧なら分かる」「新手のITエンジニア踏み絵か」などの意見が飛び交い、30日のTwitterの日本のトレンドには一時「ソースコード」が入った。

●記事に齟齬はなかったか ヤマト運輸に聞いた

 この件について、ヤマト運輸に取材したところ「当社としては、ソースコードを書く作業が、単純作業とは決して考えていないし、中林もそういった趣旨で発言をしたわけではない。しかし、記事化に当たり一部の発言内容が正確に伝わらず、結果的に誤解を与えてしまった」と説明。記事を読んで不快に感じた人たちに対し「心からおわび申し上げます」と謝罪した。

 ITmedia NEWSに連絡が届いた30日午後5時時点で、GitHubの記事の話題となった内容は下記のように修正されている。

 「これまでの内製化はアウトソーシングからの見直しが主体でした。今後は、アーキテクチャのデザインやGitHubを活用したソースコードのガバナンス・標準化が実行可能なメンバーによるコアな開発は内製化しつつ、短期的にリソースが足りない部分は外部に委託するなど柔軟な対応が必要になります」(原文ママ)

 ヤマト運輸は「ソースコードを含め、自社で内製する部分と外部のパートナーに協力を求める部分のバランスをいかにその時の状況や開発内容、スケジュールにあわせて柔軟に行うかが今後重要になってくるという趣旨の発言だった」と補足する。

 「当社は中期的には内製化を目指してはいるものの、まだまだ人員が不足している。その中で、ビジネスアーキテクチャや要件の整理など内部の人材でやる内容と、仕事がしやすいように汎用化した形で外部の方にお願いする内容を整理してバランスを取っていく必要があると考えている」(ヤマト運輸)

 続けて、このような意味の上でソースコードを書く作業は決して単純な作業ではなく、むしろ重要な作業であると説明。社外とシームレスに連携ができ、ソースコードを一元化して共有できるGitHubのような仕組みは非常に重要な意味があると考えを示した。