11月20日、事前の告知通りに「Radeon RX 6800 XT」と「Radeon RX 6800」を搭載した新型グラフィックスカードが売り出された。価格はRX 6800 XTカードが8万8000円弱から9万5000円程度、RX 6800カードが7万7000円弱から8万5000円程度だ(税込み、以下同)。

●上位モデルのRX 6800 XTは輪をかけて入荷数が少ないです

 複数のメーカーから登場しているが、初回流通分はいずれもリファレンス基板のモデルで占められている。ともに新アーキテクチャ「RDNA 2」を採用しており、従来のRX 5000シリーズの後継に位置する。

 発売日は、2週間前のRyzen 5000シリーズのときと同じように、各ショップの開店前から整理券を求めて狙うユーザーが殺到した。しかし、初回の供給量は軒並み少なく、リアル店舗でのみの販売に集中するパソコンSHOPアークや、逆にオンラインのみに絞ったドスパラ系列店など、シビアな選択を余儀なくされるショップが複数見られた。

 パソコンSHOPアークは「特にRX 6800 XT搭載カードは入荷数が少ないです。しかし、初回に並んでまで入手したい方が求めるのは上位モデルです。どうにもニーズが満たせない状況になっていますね」と嘆く。比較すると、下位モデルとなるRX 6800搭載カードの供給状況の方が良いが、それでも週末までに売り切れると断言する声が多く聞かれた。某ショップは「当面は初回に間に合わなかったメーカーの入荷がパラパラ入る程度では」という。

 加えて、今回は販売解禁のタイミングも負担が大きめの様子だ。夕方に整理券配布のための行列が形成されていたパソコン工房 秋葉原BUYMORE店のスタッフは「普段から混む金曜日の夜に販売ということでリソースの調整が難しく、お客さんにも迷惑をかけてしまうのが辛いです」と吐露する。それを聞いた行列に並ぶユーザーも、大きくうなずいていた。

 なお対照的に、GeForce RTX 3000シリーズの入手性は順調に良くなっている。ドスパラ秋葉原本店は「RTX 3080カードもブランド指定でなければかなり買いやすくなっています」と話していた。

 次はストレージを見ていこう。

●Corsairから8TBのM.2 NVMe SSDが売り出される

 ストレージの新製品も、ハイエンドモデルが目立っていた。Corsairからは8TBの容量を備えるM.2 NVMe SSD「CSSD-F8000GBMP400」が登場した。価格は17万5000円弱となる。

 この「M400」シリーズは、4TB/2TB/1TBモデルが発売済みで、本モデルが最大容量となる。シーケンシャルリードは毎秒最大3480MBで、ライトは毎秒最大3000MBというスペックで、PCIe 3.0接続となる。パソコンSHOPアークでは「入荷日に2枚購入される方がいて、すぐに売り切れました」とのこと。

 また、サムスンからはエンタープライズ向けのPCIe 4.0 x8接続のSSD「PM1735」シリーズが売り出されている。取り扱いを始めたオリオスペックでは、1.6TBモデルのみ在庫販売しており、12.8TB/6.5TB/3.2TBモデルは受注扱いとなる。1.6TBモデルの価格は9万8780円だ。

 1.6TBモデルのみ、シーケンシャルリードが毎秒最大7000MB、ライトは毎秒最大2400MBとなる。3.2TB以上のモデルはシーケンシャルリードが毎秒最大8000MB、ライトは毎秒最大3800MBだ。同店は「x8接続の帯域を存分に使える設計になっていますね」と評価していた。

 続いてはマザーボードの新製品だ。

●Ryzen 5000シリーズ対応のゲーミングマザー「X570 PG Velocita」

 Radeon RX 6800シリーズが枯渇する一方で、2週間前に登場したRyzen 5000シリーズも「Ryzen 5 5600X」など一部のモデルを除くと、まだ十分な供給状況になっていない。ただし、対応マザーボードのラインアップは順調に充実している。

 先週に登場したのは、ASRockのPhantom Gamingに属するATXモデル「X570 PG Velocita」だ。PCIe 4.0 x4対応のM.2スロットを2基備え、DDR4-5000(OC)メモリをサポートするなどハイスペックな仕様で、Killer製チップを採用した2.5GbEの有線LANとWi-Fi 6が使える。価格は3万5000円前後だ。

 ドスパラ秋葉原本店は「Phantom Gamingでも多機能ハイスペックを求める人に人気ですね。Ryzen 5000シリーズはCPUのみで購入する人が多いですが、こういうマザーとの構成で考える人も増えていくでしょう」と話していた。

 同社からは、SoCタイプのMini-ITXマザーボードも複数発売している。Intelの「Gemini Lake Refresh」に属するクアッドコアCPU「Pentium Silver J5040」を搭載する「J5040-ITX」と、同じくクアッドコアの「Celeron J4125」を搭載した「J4125-ITX」で、価格は順に1万7000円前後と1万3000円前後となる。

 ともにファンレス仕様となっており、2基のDDR4 SO-DIMMスロットや1基のPCIe 2.0 x1スロット、GbEやUSB 3.2 Gen1ポートなどを備えている。4K映像出力に対応し、背面にはHDMIとDVI-D、D-Sub 15ピン出力端子も並ぶ。「GPUを含むCPUの性能以外は同じ仕様です。価格と性能で選べるのがいいですね」(同店)

 最後に、PCケースの新製品をチェックする。

●Fractal Designの高通気ケース「Meshify 2」がデビュー

 PCケースでは、Fractal Designから登場したミドルタワーの「Meshify 2」が目立っていた。フロント面を多角形デザインのメッシュで仕上げた通気性重視のケースで、左側面に吸音性に優れたソリッドパネルを採用した「Black Solid」と、強化ガラスパネルを採用した「TG」があり、価格は順に2万1000円弱と2万3000円前後となる。

 なお、「Meshify 2 TG」と同コンセプトのフルタワーモデル「Meshify 2 XL TG」も3万円弱で同時発売している。

 Meshify 2シリーズは、サイズが約240(幅)×542(奥行き)×474(高さ)mmながら、E-ATXタイプのマザーボードまで組み込める仕様で、レイアウトの自由度が高いのが特徴だ。最長491mmまでの拡張ボードを搭載可能で、前方スペースに360mmまで、上部に420mmまでのラジエーターも組み込める。前方をストレージ用に使えば、最大7台の3.5インチドライブと2台の2.5インチドライブを同居させることも可能だ。

 実機を展示しているTSUKUMO eX.は「2月末に登場してから定番人気を得ている『Define 7』と似た構造になっていて、よりエアフローに強く振ったケースといえますね。GeForce RTX 3000シリーズがヒットして電源ユニットのトレンドが大容量化していますし、排熱を気にするユーザーが増えているのもあり、結構ニーズがありそうな気がします」と評価していた。