「Ring Stick Up Cam Battery」は、Amazon傘下のRingが販売するネットワークカメラだ。ドアベル「Ring Video Doorbell 4」とともに発表された本製品は、防じん/防水に対応しており、ベースの取り付け方を変更することで壁面へのネジ止めにも対応するなど、屋内から屋外までオールマイティーに使えるモデルだ。

 今回はメーカーから借用した機材を用い、同時発売となった屋内用の小型モデル「Ring Indoor Cam」とも比較しつつ、その機能をチェックする。

・スマホから映像を確認できるドアベル「Ring Video Doorbell 4」を導入してみた

・Echo Showとも組み合わせ可能! 「Ring Video Doorbell 4」を活用した

・中継器にもなる! スマートドアホンを強化する「Ring Chime Pro」を使ってみた

●スタンダードな円柱形のボディーでバッテリーは交換運用が無難?

 外観はスタンダードな円柱形で、正面に黒い半透明のカバーがあり、そこにカメラの他、ナイトモードで使用する赤外線センサーなどを搭載する。至って特徴のないデザインだが、監視用途で使うカメラは自己主張が強くないことこそが重要なので、方向性は正しい。

 下部にはボールジョイントでつながったベースがあり、卓上で使う場合はそのまま立てて使う。壁面に取り付ける場合はベースを外し、背面に取り付ける仕組みだ。詳しくは後述する。

 電源は、本体内蔵のバッテリーを用いて駆動する。このバッテリーは前回紹介したドアベルに内蔵されているのと同じ品で、本体にUSBポートを備えており、取り外してUSBケーブルを直接つないで充電が行える。

 もっとも、この仕組みだと充電中はカメラとして使えないので、望ましいのはバッテリーを2つ用意し、残量が低下するたびに交換しながら運用することだろう。バッテリーの残量はスマホアプリからも確認できるので、小まめにチェックしなくても済む。

 こうしたことから、導入にあたっては本製品の価格にプラスして、バッテリーもう1個分の価格(3480円)を見積もっておくことをお勧めする。他にも、屋内/屋外兼用のACアダプターも6980円で用意されている。

 続いて、取り付け作業に移る。

●壁面設置にも対応 盗難防止対策も充実

 さて本製品には、設置方法が2種類用意されている。1つは据え置きで、卓上にそのまま立てる方法だ。この場合、製品はパッケージから出した状態のまま使用する。

 もう1つは壁面への取り付けだ。この場合、まずプラスドライバーを使ってベースを本体から取り外し、背面にあるネジ穴に取り付ける。

 続いてベースの底面に付いている取り付けブラケットを取り外し、壁面にネジ止めした上で、カメラをはめ込んで固定する。単にはめ込んだだけだと第三者にカメラを持ち逃げされかねないが、壁面に固定する安全ねじ3本のうち1本は、カメラのベースを貫通させて取り付けるので、ドライバーがない限り取り外しは不可能だ。

 壁面への固定が終わったら、ボールジョイントで角度を微調整する。向きは簡単に変えられるため、第三者によるイタズラを防ぐのであれば、なるべく高い位置などに設置し、カメラをやや下に向けるのがベターだろう。

 なおバッテリー交換時は、本体を水平方向に回してキャップに当たる部分を外し、バッテリーを抜き取る構造になっている。壁面装着時も交換は容易なのだが、バッテリーだけを盗まれる可能性はゼロではないため、付属のネジでカバーを固定しよう。万が一の場合は、盗難補償が付属しているので、そちらを申請することになる。

 ちなみに本製品には、現在国内で販売されているネットワークカメラの多くが備える、スチール面吸着用のマグネットは用意されていない。盗難の恐れのない室内利用では、底面にあるマグネットでスチール面に吸着できれば十分なことも多いが、本製品は非対応だ。何らかのオプションがあってもよいのではないかと感じた。

●モーション検出など一通りの機能を搭載

 セットアップは前回のドアベル同様、Ringアプリを用いてスマホから行う。RingのアカウントはAmazonアカウントと一本化されておらず、設定時にはAmazonとRingの両アカウントを行ったり来たりする羽目になり、2段階認証を繰り返し求められるので相当な手間だ。Amazon傘下のメーカーである優位性は皆無で、将来的には一本化してほしいところだ。

 セットアップが完了すると、Ringアプリのホーム画面に、本製品の捉えた映像が表示されるようになる。モーション検出機能は感度や頻度を調整できる他、人物とその他に分けての通知の有効/無効化、トリミングなども設定可能だ。モーション検知範囲は約9m先までとされるが、Google Nest Camは7.5m先までなので、本製品に分がある。

 なお前回のドアベルでも触れたが、スマホで受信してから15秒以内だと通知をタップして表示されるのはライブ映像、それ以降はモーション録画の映像に切り替わる。これがドアベルの場合であればデバイスの設定画面で「『カメラプレビュー』をタップしてライブ映像を表示」にチェックを入れておくべきだが、ネットワークカメラの場合は必須ではないので、好みで選んでよいだろう。

●Echo Showからも閲覧可能 ただし強みは……

 本製品の映像を見るには、前述のようにスマホアプリを使う方法に加えて、スマートディスプレイ「Echo Show」を使う方法もある。こちらもざっとチェックしておこう。

 Alexaアプリ上でRingのスキルをインストールしたあと、検出を実行すると本製品が見つかるので、認証を行って設定を完了させる。これで「Alexa、(カメラの名前)を見せて」と呼びかければ、Echo Showにカメラの映像が表示されるようになる。

 この映像は、手動でのピンチインアウトが可能で、マイクを使ってカメラの向こうにいる相手に呼びかけることもできる。ちなみに声を掛けるのではなく、タッチ操作で映像を呼び出すことも可能だ。

 さらにAlexa側のデバイスの設定で「モーション検知をアナウンス」をオンにしておけば、モーションを検知した場合に音声で知らせてくれるとともに、画面にもその旨を通知してくれる。通知されるだけでタップしても映像が表示されないのはマイナスだが、これは本製品ではなくAlexa側の問題で、他社のネットワークカメラも挙動は同じだ。

 ここまで見てきた一連の機能は、市販のAlexa対応ネットワークカメラであればほぼ対応しているものばかりで、本製品ならではの優位性は特に感じられなかった。一通りの機能を網羅しており、問題なく動作するというだけだ。

 ちなみに、Echo Showでネットワークカメラの映像を表示する場合、数分程度でオフになってホーム画面に戻る製品もあれば、長時間表示できる製品もあるなど、カメラによってばらつきがあるが、試した限り本製品で継続表示できるのは30分程度と、こちらも「並」の部類に入る。特に強みというほどではない。

●屋内外両対応が強み サブスクプランは判断が分かれる

 本製品は実売価格が1万1980円ということで、ネットワークカメラとしてはやや高価な部類に入る。ネットワークカメラはクラウド録画などのサブスクプランのコストも見積る必要があるので、本体価格だけでは判断できないとはいえ、本製品は首振りのギミックもなく、外観からはプラス要因は見受けられない。

 そのような中で、本製品のメリットは、やはり屋外と屋内設置、どちらにも対応しうることだろう。多くのネットワークカメラは屋内専用で、屋外への設置は想定していないのに対して、本製品は屋外での利用を前提にIP55等級の防じん/防水に対応している。また配線が難しい場所に設置できるよう、バッテリー駆動に対応するのも利点だ。

 また他のRing製品と共通のアプリで管理でき、「不在」「在宅」「解除」といったモードを一括で切り替えられたり、オプションのChime Proを使って電波を強化できたりするのは、屋外設置で自宅内のWi-Fiネットワークまで電波が飛びにくくなる可能性がある本製品にとって、大きな利点だろう。

 その一方、録画先はクラウドのみで、2023年3月31日以降は有料になるのは、評価が分かれるポイントだろう。過去60日の動画と過去7日の静止画を保存できるプランはデバイスごとに月350円か、デバイス登録住所ごとに1180円の2択だ。後者は台数無制限なので、使い方によっては格安に運用できるが、無料のままでは一切の録画ができなくなるのは困るという人も多いはずだ。

 もったいないと感じるのは、Ring製品の強みである豊富なオプションが、日本国内では現時点でそろっておらず、豊富なオプションという強みが現段階で打ち出せないことだ。また連携できるスマートスピーカーがEchoのみで、GoogleやAppleなどの製品と連携できないのは、他社製品と比較した場合にマイナスだろう。

 なお屋外設置が不要な場合は、本製品と同時発売のRing Indoor Camがある。こちらは本製品よりもわずかにレンズが広角で、価格も6980円と安価なので、屋内利用にあたってはより有力な候補となるだろう。次回は本製品よりもサイズが二回り小さい、このRing Indoor Camについてチェックしていく。