ASUS JAPANから発売されているゲーミングヘッドセット「ROG Fusion II 500」(以下、Fusion II)は、50mmのドライバーとESS Technologyの「ESS 9280 Quad DAC」を搭載し、PCにつなげるだけでハイレゾ音楽が楽しめるゲーミングヘッドセットだ。

 ゲーミングヘッドセットにDACを備えることで、ゲームの中でもFPSなどを楽しむ際には、敵の足音などがすぐに分かり、どこにいるのか見つけやすいという。高音質なサウンドと、AIノイズキャンセリング機能付きのビームフォーミングマイクを内蔵することを考えると、ゲームだけでなくビデオ会議や音楽鑑賞にも利用できそうだ。

 今回は、このゲーミングヘッドセットをさまざまな角度から見ていこう。ちなみに、直販のASUS Storeでの価格は2万7255円(税込み)となっている。

●さまざまなデバイスに対応する「ROG Fusion II 500」

 Fusion IIはPCやMac以外にも、PlayStation 4/5、Nintendo Switch、Xbox One、Xbox series X|Sなどのコンソール機に加え、スマートフォンやiPadといったモバイル機器に対応するなど、幅広いデバイスで使える。ワイヤレスではなく、有線での利用となるFusion IIならではだ。

 「ROG Fusion」シリーズというと、イヤーカップの後ろ側にAURA SYNC対応のライティングが仕込まれているのも特徴になる。Fusion IIでもそれは引き継がれており、後ろ側にフルカラーLEDが配置されていて、美しく光る。

 左側のイヤーカップには7.1chバーチャルサラウンドのオン/オフスイッチ、音量調整、USB Type-Cポートが配置されている。右側のイヤーカップにはPC/ゲーム機の切り替えスイッチと、マイクとゲームの音を調整するゲームチャットバランスダイヤル(PCモード利用時のみ有効)が並ぶ。

 ヘッドセットとPCは、付属のUSB Type-C Type-CケーブルもしくはUSB Type-C→Type-A変換アダプターを利用して接続するが、後者はUSB Type-Cの規格外なので、使用しないことをお勧めする。ケーブル長は実測で約2mあるので融通が利く。他にも3.5mmゲーミング端子を備えたケーブルでも接続できるが、こちらも約2mの長さがある。

 Fusion IIの本体重量は約310gと軽く、長時間の利用でも疲れない。イヤーカップは耳にフィットするように、ヘッドバンドから実測で約20度傾けられている。イヤークッションはデフォルトで取り付けられている「ROGプロテインレザークッション」の他に、「ROGハイブリッドイヤークッション」を用意している。

 ROGプロテインレザークッションは薄くて柔らかいプロテインレザーを100%使用し、高い密閉性を実現する。一方のROGハイブリッドイヤークッションは、厚みがありながらも通気性に優れた素材のため、長時間のゲーム利用でも不快にならず使用できる。

 ヘッドバンドはイヤーカップと同様にプロテインレザーで作られており、頭頂を柔らかく包んでくれる。イヤーカップの伸縮部にはこっそりとROGのロゴが配置されるなど、こだわりを感じさせる。

 イヤーカップ内のドライバーは50mmで、ネオジム磁石で構成される「ASUS Essence ドライバー」が使われており、パンチのある低音を鳴らしてくれる。カップの密閉性と相まって、迫力あるサウンドでのプレイが可能だ。

 なお、ゲーミングヘッドセットのインピーダンスは32Ω、周波数特性は20〜4万Hzとなっている。

 以前紹介した「ROG Delta S Animate」もそうだが、Fusion IIもゲーミングヘッドセット内にDACを積んでいる。搭載されているのはESS Technology製の「ESS 9280 Quad DAC」だ。このDACによって、24bit/96KHzまでのハイレゾ音源再生に対応する。

●Armoury Crateで設定をする

 ASUS JAPAN製品は「Armoury Crate」というユーティリティーでさまざまなセッティングが行える。Fusion IIのメニューには「オーディオ」「LEDライト」「ファームウェアの更新」という3つのタブが用意されている。

 この中でも重要なのがオーディオ設定だ。ここでは再生できる音源の周波数とbit数、7.1chバーチャルサラウンドのオン/オフ、マイクのAIノイズキャンセリングといった設定が可能だ。それぞれがどのような役割を果たしているのかは、マウスでポイントすると表示されるので分かりやすい。

 オーディオタブで重要となるのは、「デバイス設定」にある周波数とbit数の設定だ。これが16bit/41.4kHzのままだとハイレゾ音源が生かせないので注意したい。「リバーブ」や「イコライザー」などの音響設定は、自分の好みでセッティングしたいところだ。

 次に重要なのが「AIノイズキャンセリング」だ。これにチェックを入れておくと自分の音声だけが拾われ、余計な雑音が入らなくなり、会話に集中できる。またブームマイクは省かれており、イヤーカップ内にAIビームフォーミング無指向性マイクが内蔵することで、口元以外からの雑音を排しているという。見た目がスッキリとするのもポイントだろう。

 試しにAIノイズキャンセリングオン/オフをしたものと、「低」「中」「高」で変化させた音源を用意したので確認してほしい。

 上記の音声ファイルを聞くと分かるが、ノイズキャンセリングを入れた途端、周囲の音がきれいに消えた。ノイズキャンセリングは「低」「中」「高」の3段階が用意されており、いずれてもAIノイズキャンセリングはかなり効果があるということが分かる。利用状況に応じて選ぶといいだろう。

 一方の7.1chバーチャルサラウンドだが、オンにすると音の広がりは感じるものの、高音が強調されすぎる傾向があり、ゲームによってオン/オフを選んで使った方がよいだろう。筆者は「PUBG :BATTLEGROUNDS」や「DEATH STRANDING」で試してみたが、特に気になることはなく、敵の来る位置が音でも特定しやすく感じた。

●「ROG Throne Core」とセットで使わないときも“魅せる”

 本製品には、オプションでヘッドセットスタンドの「ROG Throne Core」(ASUS Store価格で4980円)も用意されている。ゲーミングヘッドセットは、ともするとその辺に放り出して使うことになる場合が多いが、本体の汚れなどを防ぐためにもできればゲーミングヘッドセットスタンドを使いたい。

 ROG Throne Coreはラバーパッドで天面が覆われており、ゲーミングヘッドセットをしっかりと固定してくれる。サイズは約138(幅)×120(奥行き)×290(高さ)mm、重量は約360gある。

●素直に音を再現してくれるゲーミングヘッドセット

 Fusion IIを使ってゲームをプレイした感想だが、ゲーム内の音を素直に再現してくれるゲーミングヘッドセットだと思った。期待している方向から音が聞こえ、FPSなどでは敵の位置を把握しやすく、アクションRPGなどでも十分に楽しめる。

 2万円台後半の価格がネックだともいえるが、それだけの価値が十分にあるヘッドセットだと感じた。何といってもノイズキャンセリングは強力で、ゲームだけでなくZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議などでも活躍するはずだ。ブームマイクもないので外に持ち出しても使えるスッキリとしたデザインが魅力なFusion IIは、ゲーマー以外にも注目してほしいアイテムの1つだと思う。