日常的な買い物が困難な地域の住民を支援するため、岩手町と町商工会が5月から本格運行を始めた移動販売車が徐々に売り上げを伸ばしている。当初は周知に苦労したが、少しずつ口コミで浸透。まだ採算ラインに乗っていないが、地道な需要の掘り起こしを続けている。一般的に移動販売事業は採算がとりにくいとされているが、高齢化が進む同町の買い物支援策は喫緊の課題。関係者は「買い物弱者に対する移動販売車運行事業のモデルにしたい」と意気込む。  移動販売車は3月に出発式を行い、試行期間を経て5月に本格稼働。同町の「肉のふがね」(府金伸治社長)が運行、販売を担う。町中心部から離れた地域を中心に巡る4コースを設定し、それぞれ週に1度運行している。  中心部から遠い南山形地区に暮らす女性(84)は「週に1度のペースが自分の生活にちょうどいい。(スタッフと)話ができるのも楽しい」と利用の感想を語る。  当初は買い物客に地区の集会所などに集まってもらう形を想定していたが、集会所が自宅から遠い高齢者も多いため、戸別訪問中心に軌道修正。口コミで評判が広まって訪問先が増え、要望に応じて取扱商品も多彩になっている。