【南東北総体取材班】「高校日本一」への第一歩を踏み出した福島県会津若松市で、再び大きな扉を開いた。矢巾北中卒の菊地裕太選手(兵庫・相生(あいおい)学院3年)は8日、全国高校総体(インターハイ)テニス競技で男子シングルス、ダブルスを制し、団体と合わせて今大会3冠を達成した。3年前の東北中学生選手権で優勝し、名門相生学院への進学の道を開いたのもこの会津の地。親元を離れ、遠く関西で才能を開花させた菊地選手は、再び世界へ羽ばたく。  圧倒的な強さで初優勝したシングルスが終わると、荒井貴美人監督と母瑞恵さん(53)が待つ観客席に歩み寄り、がっちり握手して喜びを分かち合った。荒井監督は、親元を離れ寮生活でテニスに打ち込んできた菊地選手を「岩手の宝、岩手の星。自分の目に狂いはなかったし、責任を果たせた」と活躍に目を細めた。  四つ年上の兄健太さんに憧れ、幼少でテニスを始めた。東北中学生選手権後の秋、15歳以下の全国選抜ジュニア選手権中牟田杯で、荒井監督が「テニスの基本の低くて速いスプリットステップが出来上がっていた。鍛えれば国内トップになれる」と素質を見いだし、高校日本一を目指す競技生活が始まった。  さらに昨年、全米オープン・ジュニアの本戦出場を期に「海外を転戦し、欧米の選手と戦いたい」と海外挑戦を意識し始めた。