日の丸組の壁を撃破した。女子カヤックペア200メートル決勝で不来方の菊池夏生・北舘知沙(ともに3年)組が優勝。苦杯をなめさせられ続けた谷地(山形)勢を振り切り、菊池は「ついに超えられなかった相手を超えました」と静かにほほ笑んだ。  ともにジュニア日本代表の佐藤友香・中村天音(あまね)(ともに谷地3年)組、連覇を狙う水橋(富山)の浦田樹里(3年、ジュニア日本代表)・中田舞絢(2年)組と中盤まで激しく競り合い、ラスト50メートル付近から抜け出した。小野幸一監督は「後半によく伸びてくれた。久々に鳥肌が立った」と3年間見守り続けた「頑張り屋」2人に賛辞を贈った。  「水をつかむ力が谷地より弱い」。「壁」を越えるため、東北選手権で敗れて以降、レース終盤まで粘る腕力を付けるためにロープを上る練習を毎朝繰り返した。  一生懸命やりすぎて炎症を起こすほど勝負への思いは強かった。多少の痛みは我慢して鍛錬を続けたことが、最後の伸びにつながった。  200、500メートルともに2位に入ったフォアのメンバー佐々木伶奈、鷹橋茉美(ともに2年)もこの練習で力を付け、7月の現地合宿で3年生に引けを取らないこぎを見せた。  後輩からも刺激を受けて臨んだ菊池・北舘組は500メートル決勝はジュニア日本代表勢に3秒以上の差をつけられ、3位に終わった。500メートルで優勝を逃したペア、フォアの反省を生かし「焦ってはいけない。もしスタートで出遅れても後半に懸ける」と開き直り、他チームのペースを目に入れることなく集中を貫いた。  1年生のころからペアを組み、互いを認め、信じ合ってきた2人。「個人対個人の力では谷地に及ばなかったが、力を合わせて抜くことができた」。北舘の笑顔は湖の水面のきらめきにも勝る輝きを放った。  (八重畑)