2017.8.11学生時代、政治や哲学の専門書を読みあさっていた頃、パレスチナ出身で米国の批評家エドワード・サイードの知識人論に虚を突かれた。「現代の知識人は、アマチュアたるべきである」と説く▼アマチュアは利益や利害、狭量な専門的観点に縛られず「社会のなかで思考し憂慮する人間」だからこそ、真実を語ることができる…。自分の頭で考え語る大切さに気づかされた▼こちらのアマチュアはいささか危うい。内閣改造で初入閣した江崎鉄磨沖縄北方担当相。「素人」だけに、国会答弁では「しっかりお役所の原稿を読む」と述べ、物議をかもした。ただ、素人ならではの良さもある▼会見で、オーストラリア沖の米軍新型輸送機オスプレイ墜落事故に関連し「(日米地位協定を)もう少し見直さないといけない。沖縄県民の気持ちをしっかり受け止め、米国に言うべきことを言うべきだ」と発言した▼地位協定改定を掲げていない安倍政権にとっては大問題。その後、江崎氏は発言をトーンダウンさせた。だが、日米同盟をめぐる「お役所の論理」に縛られず、沖縄の現状を憂慮し率直に語った姿勢は大いに歓迎したい▼安倍首相も「素人」の姿勢を見習ったらどうか。まずは、地位協定の改定を願う沖縄県民、核兵器禁止条約への参加を願う被爆者の思いにも耳を傾け、よく考えるべきだ。