2017.7.17海の表層と深層にまたがる海水の循環を、提唱した研究者にちなみ「ブロッカーのコンベヤーベルト」と呼ぶ。グリーンランド近海など北部北大西洋で冷やされて重くなった海水が沈み込み海底地形に沿って流れる▼やがて、北太平洋で上層の海水と混ざりながら再び上昇し北大西洋を目指す。地球一巡には千年から2千年かかる。キリストが誕生したころから現代までの間にようやく世界をひとめぐりする計算▼ベルトは地球上に熱と塩分を運ぶ役割を担っている。太平洋と日本列島を挟み反対側の日本海でも循環は起きている。期間は100年から200年程度だという(蒲生俊敬著「日本海その深層で起こっていること」)▼ブロッカーのベルトに比べれば10分の1の規模だが、全海洋のミニチュア版として世界の研究者からも注目を集めているという。地球の変化に対し敏感な日本海は「坑道におけるカナリアの役割に通じる」と海洋学者の蒲生さんは指摘する▼三陸沖と同様、豊かな漁場を抱える日本海だが、最近は水温上昇など環境変化の影響と思われる不漁に泣く魚種がある。外国漁船による違法操業も相次いでいる▼北朝鮮が発射するミサイルが着水し、おちおち漁をしていられない状況もある。海の日のきょう、あらためて海がもたらす恵みと平和について思いをめぐらせたい。