2019年4月から「働き方改革関連法」が順次施行され、「罰則付き残業時間規制」が導入される。だが、現場では「残業ゼロなんて夢物語だよ」との声も少なくない。特に人材不足に苦しむ中小企業では、マネジャーがプレイヤーを兼任したり、1人の社員が複数の業務をこなさなければビジネスが回らないというケースが少なくない。そんな状況で本当に「残業ゼロ」を実現できるのだろうか。

 小室淑恵氏が代表取締役を務める株式会社ワーク・ライフバランス(東京都・芝浦)は、これまで約1000社に働き方改革コンサルティングを提供し、「残業時間の大幅削減」と「業績向上」を実現させてきた。2018年9月に新著『プレイングマネジャー「残業ゼロ」の仕事術』(ダイヤモンド社)を上梓した小室氏に、プレイングマネジャーの仕事に焦点を当てて働き方改革を起こすためのポイントを語ってもらった。(取材・構成/前田 浩弥)

プレイングマネジャーは頑張らなくていい

「残業ゼロ」を実現させるためのキーパーソンは、プレイングマネジャーです。

 現場の仕事を担当しながら、チームのマネジメントもしなければないプレイングマネジャーはとにかく多忙。会社から課された数値目標のプレッシャーをヒシヒシと感じながら、日々、残業をいとわず頑張っています。そのプレイングマネジャーの残業を「ゼロ」にする。働き方改革の1つのゴールはここにあるのではないかと私は考えています。

 プレイングマネジャーは現場のメンバーに最も近い存在です。だからこそ、メンバーの自発性を引き出し、生産性を向上させることができるのです。

 私が経営するワーク・ライフバランスは、主に経営層から要請を受けて現場の「働き方改革」をサポートする事業を展開しています。私が「残業ゼロ」という言葉を口にすると、ほとんどのプレイングマネジャーは「そんなの夢物語だよ」と本音を漏らします。みなさん、日々できる限りの努力をしているのですから、その反応も当然かもしれません。

 中には、「残業ゼロなんて“かけ声”は迷惑だ」と反発する方もいます。上層部から「残業ゼロ」「残業削減」を求められ、現場のメンバーからは「仕事は増える一方なのに・・・サービス残業をしろということですか?」と突き上げられる。そのような板挟みの中、孤軍奮闘を強いられ、心身ともに疲れ果てているのでしょう。