私大文系学部の入試に「数学不要論」というものがあるのを、恥ずかしながら最近まで知りませんでした。数学を課さない学校があるのは当然承知していますが、「不要」とは・・・。

 少子高齢化が進み、経営的な観点から受験者数を減らさないために数学を入試科目から外す大学が多かった、云々。

 そんな中、2018年に「数学入試必須科目指定」を発表した早稲田大学政経学部が、3年の準備期間を経て、2021年春の入試から「必修数学」を実施、2020年には5584人いた受験生が3495人まで「落ち込んだ」との報道がありました。

 多数の受験者があり、その検定料収入が経営を支えるという大学も確かに存在します。

 1人当たりの金額、一般入試だと3万5000円、共通テスト利用だと2万円だそうですから、重みを掛けた値に約2000人分を乗じれば、何千万円単位の減収になる。

 そのように「身を切る」判断を果敢に下して、合格学生のクオリティを守ろうとした早稲田の英断を高く評価したいと思います。正解です。

 というのも、今後AI駆動が普通になる社会で「文系」しかもトップレベルの大学出身者として管理職などを期待される人材に、高校程度の数学の素養がないと、はっきり言えば現場のお荷物。

 というより、経営を危機に瀕させるリスク人材になりかねない。とりわけIT金融などでは、採用を控えられてしまう可能性がある。

 企業側での就職採用率が落ちれば、入試の偏差値も下降し、負のスパイラルに陥ってしまう。

 そこで、どうして大学入試に「数学」がないとIT、AI社会で使い物にならないか、小学校の「つるかめ算」から説き起こして、平易に解説してみたいと思います。