当のJDIは蟻地獄に落ち込み瀕死の状態だ。そのJDIの救世主に、シャープ・アップル連合はなりえるのか?

 一方、JDIへ出資を表明したファンドが、目まぐるしく離脱し入れ替わっている。今回、新たに出資者に名乗りを上げたのが、いちごアセットマネジメントだ。

 本当に、今度の「モノを聞くファンド」いちごアセットマネジメントは、出資できるのか?

 現在のJDIを取り巻く支援の状況を【図1】に示しておく。

 ここでは、JDI支援の状況を分析していきたい。

アップルの変心に翻弄されるJDI

 そもそもJDIを危機に陥れた張本人は、アップルであった。

 JDIは、アップルから「前受け金」1700億円を調達し、石川県白山市に液晶パネル工場を建設し、2016年末に稼働した。しかし、アップルは、既に有機ELへ舵を切り、2017年9月12日に発表した最上位機種に採用した。JDIは、アップルの変心に翻弄され、変化を読み誤ったことが致命傷になった、前受け金は、2019年9月末で約900億円残っており(日本経済新聞12月27日)、返済額は年200億円程度(朝日新聞12月27日)にのぼり経営の重荷になっていた。

 更に、アップルはJDIを「トリガー条項」で締め付けた。「トリガー条項」とは、JDIの現預金が300億円を下回った場合、アップルは債務残高の全額を即時返済することを求めるか、白山工場を差し押さえることができるというものだ。しかし、そもそもアップルがJDIに発注し続けなければ、JDIの現預金残高はたちまち枯渇する。つまり、アップルはJDIの「生殺与奪」の権利を握り続けた。

 結果として過剰設備となった白山工場は、2019年7月から生産を停止していた。

 今回、この因縁の白山工場を、アップルとシャープが購入しようというのだ。