米ブルームバーグは8月25日、米アップルが今年9月に同社としてインド初の直営オンラインストアを開設すると報じた。祝祭シーズンが始まる前に営業の準備を整えるという。

西部ムンバイと南部ベンガルールに直営店

 これに先立つ今年2月、アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は株主総会で、2021年にインド直営店をオープンすると明らかにした。この時同氏は、まず年内にネットによる自社製品の販売を開始し、2021年に自社ブランドの店舗を開設すると述べていた。

 今回のブルームバーグの報道によると、同社は計画通りに実店舗の開設準備も進めているようだ。まずは、2021年に西部ムンバイで1号店を開設する予定。場所は「BKC(バンドラ・クルラ・コンプレックス)」と呼ばれる新都心エリアだという。また、南部ベンガルールで2号店をオープンする計画もあり、すでに4万6000平方メートル(東京ドーム約1個分)の施設用地を見つけているという。

インドで直営店を開設できなかった理由

 アップルはこれまで米国や日本などで展開している「Apple Store」をインドで開設していなかった。その代わり、インドの地場小売業者と提携して「Apple Premium Resellers」というフランチャイズ方式でアップル専門店を展開したり、米アマゾン・ドット・コムや米ウォルマート傘下のインド・フリップカートなどのEC(電子商取引)サイトを通じて販売してきた。

 インドではApple Storeのような店舗は「シングルブランド・リテール」と分類される。その外資比率が51%を超える場合、金額ベースで約30%の製品と部品をインド国内企業から調達しなければならない。

 これが、いわゆる「30%調達ルール」。だが、アップル製品は大半が中国で製造され、部品も中国などのインド国外で作られており、この要件を満たせなかった。

 ブルームバーグによると、アップルはこうした厳しいルールを回避するため、ロビー活動などを通じて規制緩和を働きかけるとともに、インド生産を拡大してきた。