そして、こうしたフェイスブックの無干渉なアプローチが、ヘイトスピーチや偽情報の拡散を助長しているとして「名誉毀損防止同盟(ADL)」や「全米黒人地位向上協会(NAACP)」などの6つの人権擁護団体が7月から1カ月間、広告掲載をやめるように呼びかける運動「ストップ・ヘイト・フォー・プロフィット」を始めた。ロイターによると、この運動には最終的に1000社以上の企業が参加したという。

問題解決に取り組むFB

 フェイスブックはその後、企業が自社の広告を不適切なコンテンツの近くに表示されないようにできる機能の導入を検討するなど、対策を講じる姿勢を示した。問題があると判断した政治家などの投稿に注意喚起のラベルをつけるようにもした。

 フェイスブックの広報担当者は「広告主のほとんどは戻りつつある。企業は我々の取り組みに理解を示している。引き続き業界や顧客と協力していく」と述べた。

 フェイスブックでは削除されるヘイトスピーチ投稿のうち、95%は報告を受ける前に検知できるようになったと広報担当者は説明している。この比率は2017年時点で23%だったという。

払拭できぬ企業の懸念

 だが、企業のソーシャルメディアに対する懸念はいっこうに解消されていないようだ。米国のインターネット広告業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)のアンケート調査によると、68%の広告主が問題のあるコンテンツの近くに自社の広告が表示されることを「極めて懸念している」と回答している。

 日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の幹部は、「オンライン広告費は全広告費の半分以上を占めるまでになっているが、デジタルプラットフォームはいまだ自主規制で運営されている。今こそコンテンツに基準を用いる時だ」と述べている。

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(小久保 重信)