米アマゾン・ドット・コムの米国物流施設で、いったん収まっていた従業員の怒りが再燃したと、米CNBCなどが報じている。

休憩行為を記録する「タイムオフ・タスク」制度

 その理由は、同社が倉庫業務の作業ノルマ監視制度を再開したからだ。感染症対策の改善を求めて同社を訴えている従業員らが裁判所に提出した新たな書類で分かったという。同社では今年6月、物流施設の一部の従業員が「会社は職場の安全よりも生産性を優先している」とし、訴訟を提起していた。

 アマゾンでは、手を休める時間が長いなど、作業効率が悪い従業員に対し警告するシステムを導入している。「タイムオフ・タスク(TOT)」と呼ばれる休憩行為を記録しており、その比率が高い従業員は懲戒処分を受ける。CNBCによると、解雇につながる場合もある。

感染症対策で生産性評価中断も10月に再開

 アマゾンでは今年はじめ、感染症対策が不十分だとして物流施設の一部従業員が抗議活動を始めた。3月にはニューヨーク・スタテン島にある施設で50人以上がストライキを実施。職場環境の透明性の欠如や安全対策の不十分さ、リスクに対する賃金の低さを訴え、施設の一時閉鎖を要求した。

 こうした事態を受け同社は安全対策を強化。サーモグラフィーカメラを導入するなどし検温を実施するとともに、施設内での消毒・洗浄の頻度を高め、マスクも支給。ソーシャル・ディスタンシング用のウエアラブル機器を試験導入し、収集したデータをコンタクトトレーシング(接触追跡)に活用する取り組みも始めた。