町が10億円投資した『つの財団』

:都農町が10億円を拠出し設立された『つの財団』の創設メンバーに選ばれた時の心境は?

 財政課が長かったため、町の事業は数字や仕組みの点では理解できていましたが、実際に動かしてみたいと思っていました。

 財団設立に際し、1万人規模の町では極めて異例な10億円を拠出するという議案に対して激論が交わされたのが思い起こされます。

 町長から事業計画の積み上げの10億円ではなく、町としての本気の態度を外向けに示す金額であるという説明をされて議会の承認もいただきました。

 町としてまちづくりにかける本気の度合いを体感し、自らが携われることにワクワクしました。

:町として10億円を投資した一番の思いは?

 この先、町役場だけではやっていけない、という危機感です。

 町長は自分で考えて動くタイプなので、職員が自発的に提案して決まる政策はほぼ皆無になっていることを危惧していました。

 町役場だけではなく、民間と積極的に連携し、クリエイティブなこと、新しいサービスを創出することが求められます。

:『つの財団』は事業領域として、医療福祉、産業振興、人材育成の3本柱を掲げていますが、優先順位はありますか?

 個人的には人材育成に危機感を一番抱いています。

 都農町の場合、若手人材の減り方が著しく速い。加えて2021年3月末で唯一の高校も閉校になり、日中は町から高校生がいなくなります。

 若手が少なくなる=地域の未来を考え、語る人が少なくなるので、それだけでも町は盛り下がってしまいます。

 町外の専門家を呼んできても3年、5年でいなくなったら元に戻る、みたいなことにしかなりません。

 自力を向上させ、自分たちで、どう新しく物事をつくっていくかが問われます。先人にはいつまでも頼れないでしょうから(笑)、若い人たちには「誰がつくるんだ?みなさんだよ!」と問いかけたいし、自分も一緒にやっていきたい。