米アマゾン・ドット・コムは3月17日、一部地域で提供している社員向け医療サービス「アマゾン・ケア(Amazon Care)」を全米に広げると明らかにした。

オンライン医療相談、対面診療や処方薬配達も

 アマゾンは2019年9月に、同名の医療サービス部門を立ち上げた。当初は実験プロジェクトという位置付けだったが、20年2月に本社のある米ワシントン州シアトルで本格サービスを始めた。

 社員とその家族は、専用アプリを通じ、ビデオ通話とテキストチャットによるオンライン医療相談が可能で、必要に応じて訪問診療・看護も受けられる。訪問場所は自宅のほか、社屋内の診療室も選べる。処方薬の配達サービスも利用できる。

 これまでにワシントン州全域で社員と家族向けに提供していたが、21年3月17日から同州の他の企業にも提供する。今夏には米50州でオンライン医療相談を可能にする。こちらも他社に提供するという。また、数カ月後には首都ワシントンやメリーランド州ボルチモアなどの都市で対面の医療サービスを始めるとしている。

 アマゾンの医療関連事業を巡っては先ごろ、米投資会社のバークシャー・ハザウェイ、米金融大手のJPモルガン・チェースと設立したベンチャー企業ヘイブン(Haven)が閉鎖されたと報じられた。米CNBCによると、ヘイブンは企業向け医療サービスの拡充を促進するものとして期待されていたという。

 一方で、アマゾンはオンライン薬局を立ち上げたり、社員向けクリニックを開設したりしている。薬局事業、クリニック事業、今回のアマゾン・ケアの3つを活用し、企業向けヘルスケア市場を狙っているとCNBCは報じている。

オンライン薬局とクリニック事業

 アマゾンは20年11月に米国で処方薬をオンライン販売する「アマゾン・ファーマシー」を始めた。ウェブサイトやアプリで注文を受付け、配達するというサービスだ。