ESG・SDGsなくして、資金調達と事業継続はできなくなる

 今後、企業はSDGsの観点を取り入れたビジネス活動なくして、資金調達は難しくなるだろう。SDGsの活動はハードルが高いように思われがちだが、前回でも紹介したようにプロセスをしっかり踏めば、どの会社も取り組めるものである。

 SDGsの17の開発目標については、別の回にあるので説明はしないが、意味合いを解釈し何かの活動を加えることで、自社の事業活動を位置付けることができるはずだ。また、SDGsは日々目にする広告・宣伝から大企業が主体の活動に見えるが、むしろ中小企業が活動を行うことで、さまざまなメリットがある。

■資金調達面
・金融機関から融資のハードルが下がる
・行政の補助金などを受けやすくなる

■売り上げ面
・SDGs取引を志向する大企業とのネットワーク・取引が増える
・SDGsに関する商材を持つことで協業などが進み、収益につながる
・SDGsの取り組みにより、自社の製品がモノ以上の意味的な価値をもち、購入につながりやすくなる
・自社ブランドイメージや社会的なステータスが向上する

■環境面
・活動を行うことで、自社のエネルギーコストの低減につながっていく
・廃却の低減・歩留りの向上が得られ、前向きなコスト低減につながっていく

■自社の経営面
・マテリアリティ(重要課題)を特定することで、経営・事業目標に対する求心力が高まり、組織内の一体感を生むことができる
・社員の仕事に対する意味付けや目標、貢献が明確になり、モチベーションやロイヤリティが向上する
・人材を獲得しやすくなり、加えて離職も低減できる

 このように抽出すると切りがないほど多くあるが、SDGsの活動がESG投資や資金調達、そして経営の良化につながることを理解いただけたと思う。あとは実際に行動に移すことが大切である。

コンサルタント 石田秀夫(いしだ ひでお)

取締役 生産コンサルティング事業本部 本部長 
シニア・コンサルタント

大手自動車メーカーに入社し、エンジニアとして実務を経験。生産部門および開発設計部門のシームレスな収益改善・体質改善活動を支援。事業戦略・商品戦略・技術戦略・知財戦略を組み合わせた「マネできない ものづくり戦略」を提唱し、次世代ものづくり/スマートファクトリー化推進のコンサルティングに従事している。

(JMAC編集部)