ワークプレイス変革はこのように実行しよう

 ワークプレイス変革を実現した企業には、4つのタイプが存在しています。

①全体改革型(働き方改革・オフィス改革を同時に実行)
②働き方改革先導型(働き方改革を先行)
③カタチ変革先導型(オフィス改革を先行)
④傍観型(働き方改革・オフィス改革が共に進んでいない)

 大半の企業は④の状態だと思います。実際、あるアンケート調査でもオフィス移転について「移転済み」「解約済み」と既に実行に移っている企業の割合は少なく、「(移転・解約を)検討している」「まったく検討していない」企業が70%以上でした。

 なぜ④にいる企業は改革の一手を打ち出せないのか。そこには戦略を立てられない難しさとして、「コロナ禍で自社社員の働き方、在りたいオフィスの姿が定まらず動けない」というジレンマが垣間見えます。

・社員アンケートは取っているが、それだけで決めてよいのか
・会社の大きな資産であるオフィス、大きな予算を動かすにはロジカルな説得力が必要
・ロジックを組むために必要なデータ不足、他社との比較も困難
・本社に本当に残すべき機能は何かが定まらない
・そんな中でも社員の幸福度(Happiness)を上げるにはどうしたらよいか
・なるべくコスト増にならないように実現したい
・優秀人材の離職は怖い

 これはアンケート調査から実際に出てきた“総務の声”です。ただ、さまざまな背景や事情はありますが、これらを気にしてとどまっていては前に進めません。「働き方変革から動く戦略」「カタチ変革型で推進する戦略」(下図)のいずれかの方法で、④から①への変革を実行しなければいけません。

 いずれにせよ、働き方改革・オフィス改革を断行する上で大事なポイントは、主に次のポイントです。

●働く場の選択肢を考える(働き方のダイバーシティー)
 不動産(ハード)から生まれた予算は人へ投資すべきだが、第一に考えるべきは「9時5時で毎日同じオフィスに集まる働き方」や「自社のオフィススペースの拡大」ではなく、「社員の成果が上がること」。サテライトオフィス、フレキシブルオフィス、オンデマンド会議、ワーケーションなども含めながら、働く場所の選択肢を考える必要がある。

●コワーキングオフィス、シェアオフィスの市場調査、従業員の居住地マッピング
 総務にとっての“お客さま”は自社従業員。社員をお客さまと捉えながら、それぞれのスタイルを持った従業員にどんなコワーキングオフィス、シェアオフィスが適合するか、詳しく市場調査する必要がある。従業員居住地をプロットマッピング化するなど、「お客さま(従業員)マーケティング」を実施する必要がある。

●テクノロジー活用の分野を特定/Well-beingの実行
 働き方改革・オフィス改革にはテクノロジー活用が不可欠。テクノロジーを挙げれば切りがないが、改革の軸を定めた上で各種サービスを試験導入(トライ)してみる姿勢が必要。また近年はWell-beingの考え方が浸透しており、社員がハッピーになれる状態も考えながら、改革を実行したい。