※本コンテンツは、2021年6月23日に開催されたJBpress主催「第9回DXフォーラム」の特別講演Ⅲ「三菱マテリアル DXへの挑戦」の内容を採録したものです。

三菱マテリアルが取り組む5つのトランスフォーメーション

 三菱マテリアルは、2017年にグループで生じた品質問題を契機に、翌18年から「コミュニケーションの量・質の不足」、「脆弱なコンプライアンス体制・意識」、「不十分な資源配分」の3点を改善すべき課題としてガバナンス強化に取り掛かりました。同時に業務遂行の優先順位として、安全・健康(Safety & Health)、コンプライアンス・環境保全(Compliance & Environment)、品質(Quality)、納期(Delivery)、利益(Earning)」の頭文字をとったスローガン「SCQDE」を定め、その徹底・浸透に注力してきました。

 2019年には指名委員会等設置会社へ移行してコーポレートガバナンスの強化を図る一方、社内のガバナンス体制を整備することを目的に、目指す組織・風土として6項目を掲げ、組織風土の改革に着手しました。

 これらの取り組みを踏まえ、2020年度からは3カ年の「中期経営戦略」を策定。2030年から2050年に当社グループが目指す姿として、社会的価値と経済的価値の両立を図り、豊かな社会・循環型社会・脱炭素社会の構築に貢献していくことを掲げています。

 全社方針としては事業ポートフォリオの最適化など3つの方針を掲げ、その実行に向けて事業の長期目標・戦略を策定。戦略の実行と目指す組織・風土の実現を推進すべく、現在は五つのトランスフォーメーションに取り組んでいます。


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多様な人材の知見を活かすDX推進本部を発足

 上の図にある5つのトランスフォーメーションのうち、特に4番目の「DX」は、他項目との関連性が深く、当社グループのトランスフォーメーション全体のベースメント(基礎)として寄与するものです。中期経営戦略だけでなく、それに続く経営戦略の核となる重要な取り組みと位置付けています。

 当社DXの取り組みにおいてはまず、2020年4月にDX推進本部を発足。外部からCDOを招きました。システム部門10人でスタートした同本部には事業部門・コーポレート各部門も参画、さらに外部知見を活かすためコンサルタント会社のメンバーにも加わっていただいています。

 DX推進本部の活動の中では、これまで私たちがこの会社でやってきた組織のヒエラルキーに基づく上意下達的な仕事のやり方とは違うアプローチを数多く取り入れ、若い人の積極的な意見を引き出すとともに、多様な意見を戦わせながら仕事を進めています。本年4月には職制上の組織としてシステム戦略部とDX推進部の2部体制とし、総勢100人の体制となりました。