新型コロナウイルスの感染拡大でDX化推進の機運が日本で高まった。最適なDXの形を模索し続ける企業が少なくない中、総合デベロッパーの三井不動産はDXを通じて事業変革と働き方改革の両方をいち早く推進。その結果、経済産業省により、「攻めのIT経営銘柄」「デジタル×コロナ対策企業」「DX認定事業者」などに選定されている。DXを推進してきた同社執行役員の古田貴DX本部副本部長に話を聞いた。

長期経営方針をベースにDX VISION策定、注力領域を示す

 同社は、2018年にグループ長期経営方針として「VISION 2025」を掲げ、新しい三井不動産グループの在り方を策定した。その実現のために「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」「グローバルカンパニーへの進化」の3つの柱を掲げる。

 DXにおいては、2つ目の「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」に基づき、同社のDX本部がVISION 2025を推進するべく「DX VISION 2025」というDX版を作成し、DXの注力領域を示している。

 古田氏は「『DX VISION 2025』には大きく2つに分かれます。1つは顧客志向で、社会課題問題の解決を目指す『事業変革』です。もう1つは生産性、従業員満足を向上させる『働き方改革』です」

 働き方改革や業務効率化のことをDXと言う会社も多い中、三井不動産は事業の変革から始めたのが特徴だ。そうすることで、変化していく顧客や社会に対応して事業のモデルを柔軟に変えていこうと考えている。