“手挙げ式”の全社横断プロジェクトとしてウェルネスの取り組みを推進

 丸井グループにおけるウェルネスの取り組みは、活動の柱が大きく2つある。1つは、“手挙げ式”の全社横断プロジェクトだ。

 立ち上げは2016年。当時5700人の全社員を対象に参画メンバーを募集し、氏名や所属を伏せた内容で応募作文を審査。熱意や具体性といった選抜項目に基づき、メンバーを選抜した。


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「50人の枠に260人もの応募があり、倍率5倍の人気プロジェクトとなりました。1年目は社員が自ら健康経営のビジョンを策定し、理解を促すための研修を企画しました。2年目はプロジェクトメンバーを新たに“手挙げ式”で公募。メンバーを入れ替えることで伝道者を増やす仕組みです。
 メンバーが中心となり、各職場で健康の取り組みを拡大しました。そして3年目は、社外に踏み出す年となりました。本社が近いキリンビールと協働で、社外向けに健康経営のセミナーを開催するなど活動の範囲を広げました」

コロナ禍での実施が、かえって行動の推進力にもなった

 全社横断プロジェクト4年目となる昨年(2020年)は、コロナ禍での実施となった。これまでのようにプロジェクトメンバー全員で集まり対話することができず、オンラインで交流の浅い社員同士が新しい企画を考えるという難しい局面もあった。しかし、かえって活動の推進力にもなったという。

「コロナ禍で、自分たちが少しでも社会の役に立ちたいという思いを共有することができました。オンラインで場所の制約がなくなり、分科会チームの打ち合わせ回数が大幅に増加。月に10回以上集まって企画を進めるチームもあり、さまざまな活動の推進につながりました」

 下の表は昨年度、社員の自主的な発案に基づいてできた分科会のチームの一覧だ。自ら主体的に応募してきたメンバーということもあり、推進する力も大きなものがある。


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 2020年4月6日から2カ月間、丸井グループは初めての緊急事態宣言を受け、全社的に休業措置が取られた。新入社員約60人は、入社早々に出社が取りやめとなり、不安な日々を過ごすことになった。

「そこで入社2年目のチームが、上記一覧の⑦に当たる企画を立てました。『同年代で価値観を語り合えてよかった』『コロナ禍で不安だったけど元気になれた』『今だからこそ仕事の意味を深く考えた』など、新入社員の不安軽減やモチベーションにつながり好評でした」

 テレワーク実施率は部門により異なるが平均4割。テレワーク中の気分転換を図る取り組みもあった(上記一覧⑤)。

「社員が自分たちで絵コンテを作成し、出演して、眠気覚ましのストレッチや、朝起きて仕事モードになるストレッチなどの動画を制作・配信。徐々にスキルも上がり、店舗のテナントさまと協力して、自宅でできる体操やヨガの配信もありました。テナントさまとともに、苦しい状況を乗り切ろうという職場の一体感にもつながっています」

 さらに秋には、社外での活動も実施。普段通りの文化祭が開催できなくなった学校の生徒や教員と、地元を元気にする取り組みを企画した(上記一覧①)。

「『マルイでつなげよう 普段は言えないまぁるい気持ち』という企画では、世代を問わず感謝したい気持ちをシェアする企画を行ったところ、子供から大人まで約1400件の感謝メッセージが集まりました」

 社外も巻き込んだ取り組みは、徐々に他の社員にも浸透していった。それまでリアルで開催していた社内向けのイベントを、オンラインとリアルのハイブリッドで社外の顧客や取り引き先に向けても開催。リアルでは延べ2000人以上、オンラインには4500人の参加があり、社会と会社との一体感の醸成に効果を感じているという。