各社の狙いは、11〜12月における需要集中を回避すること。背景には物流の逼迫(ひっぱく)や人手不足、サプライチェーン(供給網)の混乱などがあると指摘されている。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルは21年9月、米西海岸に運ばれてきたコンテナが人手不足のため荷下ろしできず、大量に積み上がっていると報じた。

 港湾やトラック運送会社、物流倉庫業者などで人手が足りないという。数万ものコンテナがロサンゼルスとロングビーチの港にとどまり、60隻以上の貨物船が入港待ちの状態。2つの港は、米国の輸入量の4分の1以上を取り扱っており、年末商戦に影響が出そうだという。

 こうした中、米スポーツ用品大手ナイキは年末に販売するスニーカーが不足している。米会員制卸売り大手コストコ・ホールセールはペーパータオルに購入制限を設けた。人工クリスマスツリーの価格は25%上昇しているという。

間際の需要取り込めぬ恐れ

 21年の年末商戦は大幅な販売増が見込まれるという。米コンサル大手のベイン・アンド・カンパニーは、11月と12月を合わせた販売額が前年同期比7%増の8000億ドル(約88兆9120億円)に達するとみている。

 米マスターカードは、実店舗での買い物と消費者の根強い需要を背景に年末商戦の小売売上高が前年同期比7.4%増となり、2年前と比べて11.1%増加すると予想している(CNBCの記事)。

 一方、ロイターは別の記事で、米国の小売大手は今年、サプライチェーンや物流の問題に直面し、クリスマス間際の消費者需要を取り込めない可能性があると報じている。

 (参考・関連記事)「コロナ禍の米年末商戦、ネットの活況例年超え| JBpress」

(小久保 重信)