(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)

ソニーがTSMCの新工場に出資を検討

 ソニーグループは10月28日、TSMCが日本に新設する半導体工場への出資を検討していると表明した(日経新聞10月29日)。ソニーの十時裕樹副社長は記者会見で、「ソニーのノウハウを生かして新工場の立ち上げに協力することで検討している」「具体的な出資、金額については包括的な検討、協議をしている」と述べたという。ソニー以外にも、デンソーが参画するという話もある。

 TSMCの地域別売上高比率で日本が占める割合は、わずか4〜5%しかない(図1)。しかも、日本では工場建設費やインフラ代が高い。その日本に、なぜTSMCが約2000人を必要とする22〜28nmの新工場をつくることにしたのか、筆者は依然として理解できない。

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 そして、日本政府や経済産業省がTSMCを誘致するに当たって、「経済安全保障の点から半導体のサプライチェーンの確保が重要である」ということを強調している。しかし、TSMCが日本に新工場を建設することが、どうして経済安全保障を強化することになるのかが分からない。加えて、TSMCが日本に工場を建設した場合、日本の一体誰が、22〜28nmの半導体プロセスを開発し、生産するのかが分からない。