人類最大の課題は地球環境の保全だ。2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現、2030年度の温室効果ガス排出量46%削減――政府の示した目標の達成には、温暖化対策を経済成長につなげる「経済と環境の好循環」を生み出すことが欠かせない。小売業は製造業などに比べ脱炭素の対応が遅れてきたが、環境配慮意識の高まりを背景に大きな経営課題として認識し始めた。

 カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスの排出抑制と、森林などによるCO2の吸収により、年間の温室効果ガス排出を実質ゼロ(ネットゼロ)にするというものだ。

 大気圏内のCO2は、地球からの放射エネルギーを吸収し、大気圏内部の気温を上昇させる性質を持つ。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が18年10月に発表した報告書によれば、今のまま温室効果ガスを排出し続けると、2100年には産業革命前と比べて地球の平均気温が4度も上昇してしまう。南極や北極圏の氷が溶けて海面が大幅に上昇し、自然災害による被害は桁違いに大きくなる。破局的な事態を防ぐにはカーボンニュートラルの実現が求められ、徹底的なエネルギー効率の向上(省エネ)に加えて、電力分野での再生可能エネルギーの大規模な導入が不可欠になる。