(杉江弘:航空評論家、元日本航空機長)

影響が大きいウクライナ侵攻でのルート変更

 3年ぶりに行動制限のないお盆を迎え、全日空(ANA)、日本航空(JAL)ともに、コロナ前には届かないが、昨年より多い予約が入っているという。

 日本でも国内線は便数ベースで約90%まで回復した航空需要。ただ、状況は大きく変わった。新型コロナウイルスの感染が今後収束していった場合に以前のような運賃やサービスが戻ってくるのだろうか。

 まずエアラインのコストに大きな影響を与えているのが、国際線のルート変更と燃料費の上昇だ。

 コロナに追い打ちをかけたのがロシアによるウクライナ侵攻。それによってシベリア上空が飛行できなくなった。

 従来、シベリア上空を飛行していた各社は、日本から中国、カザフスタン、トルコなどを経由する「南ルート」と、アラスカ上空、北極付近を経由する「北ルート」を選択せざるを得なくなっている。

 こうしたルート変更は、特に我が国と欧州の航空会社にとって大きな痛手となっている。飛行時間にして2時間半から3時間半ほど余分にかかり、当然のことながらその分、燃料費の負担が大きくなっている。