FTCは、ルンバが収集する顧客宅の情報にも懸念を示している。こうした情報をアマゾンが利用し、競合小売業者に対する優位性を不当に得るのではないかとみている。例えばルンバが収集するホームマップ情報を基に、家具などの商品を提案することができてしまうという。

買収発表後、自社医療サービス終了を通知

 アマゾンは22年7月に、サブスクリプション(定額課金)型診療サービスを手がける米ワン・メディカルを買収することで両社が合意に達したと発表した。米ウォール・ストリート・ジャーナルなどによると、こちらについてもFTCが調査を始めた。

 ワン・メディカルの本社はサンフランシスコ。同社は初期診療(プライマリーケア)を対面やオンラインで受けられるサービスを全米25都市で展開している。アマゾンはこの買収を発表した後、20年2月から自社展開している医療サービス「Amazon Care(アマゾン・ケア)」を年内で終了すると明らかにした。

競争回避目的の買収か

 ポリティコによると、この決定の背景にあるものをFTCが徹底調査する可能性がある。この動きについて、アマゾンが市場競争を回避することを目的に、競合企業を買収する道を選んだと、FTCが解釈する可能性があるという。

 事情に詳しい関係者によると、FTCは現在、保険会社などに問い合わせ、アマゾンがアクセスできるデータについて調査している。ワン・メディカルの患者データが、競合他社や顧客に対するアマゾンの優位性につながるかどうかを調べているという。

 ポリティコによると、アマゾンは新たなコメントを控えている。買収発表時に出した声明と同じく、「医療情報を含む消費者データに必要なすべての保護手段を講じる」と述べているという。

 (参考・関連記事)「わずか3年で幕、「アマゾン・ケア」年内終了へ | JDIR」

(小久保 重信)